Image by: 豊島
繊維商社の豊島が、ポリエステル・ナイロン・アクリルの3つのリサイクル可能素材を扱うプロジェクト「テックリサイク(TecRecyc)」を展開すると発表した。これまで廃棄されてきた素材を再び活用することで、CO2排出量の軽減など環境への負荷を減らすことを目指す。
環境省の発表によると、原材料の調達から紡績や縫製、商品の輸送までにかかる環境負荷は、1年間でCO2排出量は約9万トン、水は約83億立方メートルにのぼる。また、日本では毎年50万8000トンもの衣料が廃棄されており、一日あたり大型トラック130台分に相当するという。2021年には、国際NGOのテキスタイルエクスチェンジ(Textile Exchange)と国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)がリサイクルポリエステル市場を加速させるためのチャレンジとして、2025年までにリサイクルポリエステルのシェアを45%にすることを宣言。ポリエステルは衣類の中で最も生産量の多い繊維とされているが、ポリエステル再生繊維の市場シェア(2021年時点)は前年比わずか0.1pt増の14.8%と課題が残されている。豊島はこの状況に着目し、テックリサイクを通じてこれまで廃棄されてきた素材を再び活用することで、CO2排出量の軽減など環境への負荷軽減に貢献する考えだ。テックリサイクを導入した企業は、一般社団法人more treesへの寄付を通じてカーボンオフセットに貢献することができるという。
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テックリサイクで取り扱うポリエステルは、使用済みペットボトルを活用したマテリアルリサイクルの再生ポリエステルのほか、生地を化学的に分解して再合成したケミカルリサイクルも対象とする。ケミカルリサイクルしたポリエステルは、バージンポリエステルよりもペレットの生産工程でCO2排出量を約60%削減できることがデータで示されているという。同社によると、ポリエステルの衣料品33枚程度をテックリサイクに置換すると、杉1本分の年間CO2吸収量と同程度のCO2排出を削減できる見通しだ。
ナイロンでは、商品の製造過程で発生した端材や漁網をチップにして再生した原着ナイロンを使用する。ペレットに着色を施すため発色が良く、CO2に加えて染色工程による水質汚染の削減にも寄与できるという。長年リサイクルが難しい素材のひとつとされてきたアクリルでは、世界的アクリルメーカーと提携し、工場で発生する端材を再利用するリサイクルアクリル素材を取り扱う。
■テックリサイク:公式サイト
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