その名の通り、コンビニエンスストアはますます便利になっている。飲食料品だけでなく、ちょっとした化粧品や文房具まで揃っており、出先で忘れ物に気づいても困ることはないだろう。
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さらに、最近では衣服も取り揃えている。しかも即席で着られれば良いといった品質ではなく、ファッション通も納得のデザインになっており、SNSで話題の的となっているブランドもある。
それがファミリーマートが仕掛ける「コンビニエンスウェア」だ。なかでも、同ブランドを代表する「ファミマソックス」は爆発的な売上を見せている。バズり中の同商品について、今回、同社の日用品・雑誌部の須貝さんに魅力を伺った。
コンビニエンスウェアというブランド
同社は、なぜコンビニエンスウェアを掲げ、衣服の販売に力を入れたのだろうか。そこにはコンビニの「必要なときにいつでも購入できる」という利便性が重要な鍵だった。
「コンビ二の衣料品は『緊急需要』での購入が多かったですが、品質、デザインにこだわった日常使い出来る商品を開発することで『コンビ二で衣料品を買う文化』を作ることが出来ると考えました」
新たな文化の創出という狙いをもつからこそ、即席で一度限り身に着ける品質では不十分だった。むしろ、商品の質やデザインへのこだわりを、ファッションブランドにも引けを取らない徹底したものに仕上げようとしたなかで、「コンビニで衣料品を買う文化」に共感した世界的なデザイナーである落合宏理さんを迎え入れ、商品づくりをスタートした。
「『いい素材、いい技術、いいデザイン。』のコンセプトのなかで、ジェンダーレスなラインナップやサステナビリティへの配慮も行っております。パッケージは環境配慮素材を使い、小物入れなどとして再利用してもらえるように私生活でも使いやすいデザインにしました」
このように商品だけでなく、パッケージまでも考慮した設計となっており、コンビニから変化を起こしていこうとする力強い志が読み取れる。
ブランドの象徴としての「ラインソックス」
こうしたコンビニエンスウェアのなかでも、爆発的なヒットとなったのが2021年3月に販売を開始した「ラインソックス」だ。
「ファミリーマートを象徴する緑、青、白のラインを活かした、アイコンとなるデザインが特徴で、コンビ二エンスウェアの商品のなかで最初にデザインをいただいた商品になります。デザインのみならず履き心地にもこだわっており、足底はパイル編み仕様でクッション性が高く、抗菌防臭加工も施しております」
ひと目見てどこの商品であるか判断がつくというアイコニックなデザイン性だけでなく、「一度履いていただくと品質の良さ、履き心地の良さを実感してリピーターになっていただくことも多いです」と須貝さんは語る。
こうした品質の高さとデザインの良さがあるからこそ、著名人や若者を中心にSNSで多くの投稿がされ、一気に話題の的となった。いまではラインソックスを含むファミマソックスの累計売上は1000万足に達し、1つのブランドを確立している。
商品ラインナップも続々と増え続け、近年ではNetflixで大ヒットとなった『ストレンジャー・シングス』とのコラボソックスも販売したことで、ますます目が離せないブランドとなっている。そのため、新作を発売するたびに多くの反響があるようだ。
「ラインソックスとカラーソックスがセットになった『こどもくつした』を販売開始したときには、親子でお揃いのコーディネートができて楽しいという声もいただきました」
ファッション通だけでなく、ファミリー層にもマッチしたコンビニエンスウェアは、今後さらなるラインナップと、アイテムの追加が予定されている。どんな新製品が登場するのか、今年も話題の的になることだろう。
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