化粧品最大手のロレアルが、コンシューマー・エレ クトロニクス・ショー（CES）2023 」でイノベーション賞を受賞した、2つの新しい美のテクノロジーを発表した。

　1つは、手や腕が不自由な人の美容ニーズを満たすために設計した、世界初のコンピューター制御の携帯型メイクアップアプリケーター「ハプタ（HAPTA）」。360度回転、180度屈曲が可能で、クリック機能により直感的に目的の位置を設定することができる。そのため、手や腕の動きに不自由さを感じているユーザーにとって開けづらい化粧品容器も開封しやすくなり、今まで困難だった細かい部分へのメイクもできるようになった。商品化の例として、手や腕の動きが不自由でも自身で口紅を塗ることができるアプリケーターを披露した。

　もう1つは、わずか数秒でカスタマイズしたアイブロウを実現する、世界初の家庭用電子メイクアップアプリケーター「ロレアル・ブロウ・マジック（L'Oréal Brow Magic）」。消せるタトゥープリントのパイオニア、Prinke社と提携し開発した2400個の極小ノズルと最大 1200dpiの印刷解像度を持つ印刷技術により、正確な眉の形を数秒で描くことができる。また、ロレアル傘下のモディフェイスのAR技術によりユーザーの顔をスキャンし、マイクロブレード、マイクロシェーディング、またはフィラーといったさまざまな方法に適したまゆげメイクを提案する。

　ロレアルグループ最高経営責任者（CEO）のニコラ・イエロニムス氏は、「ロレアルは、未来の美をより包摂的なものとして思い描いている。そしてその未来の美は、テクノロジーによってより身近なものとなる。CESで発表した2つの消費者向けテクノロジーは、『世界をつき動かすような美の創造』という当社の真のパーパスを表現するものだ」と語った。