マディソン ブルーの「BLEECKER W6B BLAZER」
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鈴木:5周年を迎えた「マディソン ブルー(MADISON BLUE)」の表参道店がリニューアルオープンしたということで、レセプションに呼んで頂いた際に目に留まったアイテムです。丈が長めなのでショートパンツとの相性は良いです。
F:フラットな金ボタンも可愛いですね。トラッド過ぎずモードな印象です。
鈴木:ダブルブレストってまた来ているなと感じますね。エディ・スリマン(Hedi Slimane)が「セリーヌ(CELINE)」に移籍後、最初に発表したコレクションでダブルブレストのボックスシルエットのジャケットがあって、それ以来また再流行しているんじゃないかな。「グッチ(GUCCI)」も同じ頃にダブルブレストで、もう少しこうスクエアショルダーになったブレザーを出していたり。マディソン ブルーのブレザーは主張は強くないけど、綺麗なボックスシルエットで良いですよね。
F:最近ではどのようなスタイリングに取り入れましたか?
鈴木:今日着ているような感じと同じですが、シンプルにワイシャツにショートパンツと合わせてますね。寒くない時期はレギンスは履かずにですが。
1986年型ロールス・ロイス・シルヴァースピリット
鈴木:大げさかもしれませんが「ロールス・ロイス」がなければ、自動車は今のようなかたちでは存在していないのではないか。もしロールス・ロイスがなかったらこんなに車って普及したのだろうか、と思うところがあります。自動車として文句のつけようがなくて、自動車という乗り物がここまでできるんだというのを、その時代に示したのがロールス・ロイス。どうすればロールス・ロイスに近づけるか、他社の技術者たちはそこを目指す中で、技術や美意識の水準が上がっていったと言えます。常に正しい、絶対的な存在なんです。
僕が買ったのは1986年型ですから、BMWの手に渡る遥か前の型。35年前の車で走行距離が5300キロです。ロールス・ロイスは過去に一台、ベントレーはフォードアとツードア、かれこれ4台ぐらい乗っては手放してきました。手放さなくていいぐらいの富豪だったらずっと置いておきたいんですが......。今回はベントレーを下取りに出して購入しました。
F:その年数で全然走ってないですね。中々ないですよね。
鈴木:今は6300キロ程度。購入してから1000キロ程は走りました。
F:現在は全部で何台車を所有されていますか?
鈴木:もう一台はシトロエン2CV。当時のヨーロッパでは一番安い車だったんですよ。だから今は一番安い車と一番高い車を持ってる状態。理想的な組み合わせです。1948年から製造していて1990年に生産終了した車で、持っているのは最後の年に作られたものです。2CVは2馬力を指し、シュヴォーはフランス語で「馬力」という意味。ちなみに、2CVは実際のエンジン出力が2馬力しかないのではなく、課税馬力が2馬力ということを指しています。シトロエン2CVは安い車の中で一番偉大な車です。
F:クラシックカーを購入する際に懇意にしてるお店はありますか?
鈴木:高輪自動車ですね。良い車が入ると、「鈴木さん、いかがですか?」と連絡をくれるんです。僕の好きなものをよく理解しているんですよね。
今年を振り返って
F:今年のお買い物を振り返っていかがですか?
鈴木:無駄なく良いものが買えたのではないでしょうか。
F:買い物をする上で軸にしていることは?
鈴木:基本的に衝動買いですね。服だけでなくて時計も車も。衝動買いをするようになるまえは、例えば「白のオックスフォードシャツは持ってるけど、ブルーは持ってないから欲しいな」と思うとしましょう。でもお金がないな、と。そうだ、教科書代があったなって思って買うわけです。そうやって、あれも欲しい、これも欲しい、とある時まで、続いていくんですよね。そして、一通り手に入れてしまうと欲しい物がなくなっていく。多分ある程度おしゃれが好きな子っていうのは、他のものを犠牲にしても絶対的に欲しいものがあると思うんですよ。そうしたフェーズの先に、直感的に「良いじゃん、これ」と思った時に"衝動買い"するようにシフトしていくものなんじゃないですかね。
F:「トム ブラウン(THOM BROWNE)」をこよなく愛する鈴木さんですが、今年は購入されなかったんですね。
鈴木:もう十分にある(笑)。トム ブラウンは毎シーズン店舗に行って買っていましたけど、今年は全然行けなかった。まあ、そろそろ何か買っちゃうかもしれませんが。
F:トム ブラウン以外で今年よく着ていたブランドは?
鈴木:「プラダ(PRADA)」の大ぶりのピンストライプのジャケットがかっこよくて、それは結構着ていましたね。あとは「ラルフ フローレン(Ralph Lauren)」。ラルフ ローレンはなんだかんだいって趣味が良い。
F:GQの編集長という肩書から離れたこの1年間、ご自身のスタイルに変化はありましたか?
鈴木:毎日出かけて、毎日さまざまな人と会うといった生活ではなくなったので、今までよりも自由に、肩の力を抜いて楽しむようにはなったかもしれませんね。久しぶりに20年前の「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)」を着たりとか。自宅に眠っている古着たちは着るようにはしています。
F:YouTubeを始められるなど、今年は様々な新たな取り組みも印象的でした。2023年はどのような1年にしたいですか?
鈴木:皆さんから求められることがあれば、それに全力で応えたい。いずれにしても、良い原稿を書き続けていきたいですね。
鈴木正文
1949年東京生まれ。編集者、ジャーナリスト。1983年、二玄社に入社後、自動車雑誌「NAVI」の創刊に携わり、1989年に編集長に就任。1999年、「ENGINE」の初代編集長となる。その後2012年、GQ JAPAN編集長に就任した。2021年12月に同職を退任。
【2022年ベストバイ】
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