メキシコで買ったネックレス
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長尾:これは、メキシコのトドスサントスという町に旅行に行った時に買いました。メキシコってスピリチュアルな国民性があって、そういうお店が多いんですけど、これを買ったお土産店もアイモチーフのものを沢山扱っていて、ネックレス、ピアス、リングも全部このマークでした。「これはお守りだから」と言われたので「じゃあ買おうかな」と(笑)。
F:華奢なデザインですね。
長尾:私、アイモチーフのデザインが好きで。チリの映画監督のアレハンドロ・ホドロフスキーがすごく好きなんですけど、その方もこういうイメージなんですよね。ちょっと魔術的というか、スピリチュアルな雰囲気がある映画や作品が多くて。好きなテイストだったので、可愛いと思って買いました。
F:旅先でパッと買うことはよくありますか?
長尾:多いです。でも大体帰ってから「えっ、なんで買ったんだろう」と思うようなものが多い(笑)。
F:(笑)。ジュエリーはよく買われますか?
長尾:好きです。シルバーが好きで、シルバーのものばかり集めていたら、ヘアメイクをしている友達に「多分ゴールドの方が似合うと思う」って言われて。イエベ・ブルベ(イエローベース・ブルーベース)ってあるじゃないですか。その友達によると、私はイエベでゴールドが似合う系統らしくて。だから来年はゴールドを集めたいです(笑)。
MATÉRIEL スカート
長尾:「マテリエル(MATÉRIEL)」は社会的な企業で、女性の雇用率がすごく高かったり、生産過程で出る大気汚染とかにも気を遣っているサステナブルなブランドです。レザーテイストのものが多いんですけど、素材はポリエステル。このスカートも定番的なアイテムで、エコレザーが使われています。
F:スリットがたくさん入っていますね。
長尾:履くとまたシルエットが可愛いんです。軽いので夏も履いていましたね。Tシャツとか、楽なものが好きなんですけど、ボトムスもジーパンにするとカジュアルになりすぎちゃうので、こういう女性らしさのあるアイテムを合わせたスタイルにしています。ちなみに、今日履いているパンツもマテリエルなんですよ。
F:洋服を買われる時、ブランドのバックグラウンドは必ずチェックしますか?
長尾:それは必ず見ていますし、コンセプトに共感できなかったら買いません。あとは、デザイナーさんを見て「素敵だな」と思ったら買い付けたりとか。作り手のことはよく見るようにしています。例えば、先ほど紹介したコペルニはデザイナーがニコラ・ゲスキエール(Nicolas Ghesquière)が手掛けた「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や、ヘルムート・ラング(Helmut Lang)に影響を受けていると知って、良いなと思いました。
F:マテリエルはいつ頃から買い付けているんですか?
長尾:1年くらい前ですね。コロナになってから、ステイホームで社会問題について考える機会が増えて、消費者が積極的に「サステナブルな商品を買ってみよう」という機運が高まった時期だと思っていて。お店としても、こういうアイテムを入れていきたいと思っていた時期に出会ったブランドです。
今年を振り返って
F:今年の買い物を振り返ってみていかがでしたか?
長尾:買う年と買わない年があって、去年はめちゃめちゃ買っていたので今年は自粛していました。でも展示会に行くと買っちゃうから、今年は展示会で買ったものばかりです(笑)。
F:去年はたくさん買われたんですね。
長尾:去年だと、例えば「ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)」と「チャーチ(Church's)」のコラボとかは、雑誌を見て「これかわいい!」ってなって買いに行ったりしましたね。コロナ禍で時間があったので、SNSや雑誌をよくチェックしていました。今年は、仕事を忙しくしていたらあっという間に1年が経ってしまったので、あまり買えていないです。本はいっぱい買っているんですけどね。
F:本はどのように管理されているんですか?
長尾:友達が古本屋さんをやっているので、読み終わったら寄付しています。
F:循環させているんですね。
長尾:それこそ、4年前から「国際女性デー」の活動で出た収益で本を買って、図書館に寄贈しているんです。自分が読んで良かった本を、去年は渋谷区中央図書館に25冊、今年は愛知県立図書館に30冊寄贈しました。私たちの活動に共感してくださったお客さまからいただいた収益で、いい本を買って寄付して、色々な人に手に取っていただく。2つ広がりがあると思っています。
F:来年、買いたい物はありますか?
長尾:来年はやっぱり、ゴールドのアクセサリーかな(笑)。あとは、これからは名品みたいなものを集めていきたいと思っていて。1着ずつお直しするくらいこだわりがあるタイプなので、気に入ったものを長く使いたいんです。だから、そういう自分のお気に入りというか、ベストユーズみたいなものをどんどん増やしていきたいなと思います。コロナになってから価値観が覆る瞬間がたくさんあって、最近は、お店でも自分が今まで使ってきてよかったものを改めて紹介したいという気持ちが出てきました。
F:実際に愛用していて販売に至ったものはありますか?
長尾:今年は、ずっと愛用していた傘メーカーの前原光栄商店さんとコラボして、晴雨兼用の折りたたみ傘を作りました。皇室にも傘を献上されていた老舗のメーカーさんです。
F:チェーンが付いているんですね。
長尾:チェーンはシスターオリジナルです。「ポーター」とコラボした時のものなんですが、私が掛けて使っていたら、「チェーンは買えないんですか?」という声をいただいたので、チェーンだけを作って販売しました。
私自身、もう10年くらい日傘を使っているんですけど、夜、食事に行くとお店に忘れちゃうんですよね。何度か忘れたことがあって、肩から掛けられるように考案しました。
F:柄も素敵ですね。
長尾:前原さん定番のペイズリー柄です。本来は竹のナチュラルカラーで、竹って一番染まらない植物らしいんですけど、黒が好きなので、特別に染めていただきました。
このほかにもこだわりを持って制作している商品がたくさんあるので、今後も来ていただいたお客様とコミュニケーションを取りながら、商品の素晴らしさを伝えられるお店でありたいなと思います。
■長尾悠美
渋谷・松濤のセレクトショップ「シスター(Sister)」オーナー。国内外のデザイナーズブランドやヴィンテージアイテムのバイイング、展覧会グッズやオリジナルアイテムの企画を手掛ける。
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