新宿駅東南口の商業施設「Flags(以下、新宿フラッグス)」が、1998年10月の開業以来初となる大規模リニューアルを行った。JR新宿駅直結という好立地が強みだったが、大きな打撃を受けたコロナを経て「自力で集客できる施設に生まれ変わる」(支配人の宮野良子氏)ことを掲げ、新たに集客装置として「ユニクロ(UNIQLO)」と「ジーユー(GU)」を誘致。両店舗は12月1日のグランドオープンに先立ち営業を開始しているが、人流の回復もあり狙い通り入館客数増に貢献しているという。
◆商業施設ならではのリアルの価値追求 アメリカンラグシーは4年ぶりにカムバック
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小田急SCディベロップメントが開発する新宿フラッグスは、開業時から「MUSIC」「FASHION」「SPORTS」をコンセプトに掲げている。リニューアルはかねてより構想してきたが、新型コロナウイルス感染拡大を機に内容を大きく変更。宮野氏は「商業施設の役割として『来て良かった』と思える体験をしていただくというのを根底にテナントを誘致した」とし、3つのコンセプトはそのままに、新宿フラッグス限定のコンテンツを揃え、リアルの体験価値向上させたという。
リニューアルの対象フロアは2〜5階部分。特に2、3階部分は「FASHION」「SPORTS」を体現するフロアと位置付け、リアルならではの体験を強化した。リニューアルに伴い4階から3階に移設する「ニューエラ(New Era®)」の国内旗艦店はショッピングセンターに出店している店舗では初となるオリジナル自動販売機「NEW ERA® STAND」を導入。限定モデルの販売も予定している。同じくリニューアルオープンするスペインのシューズブランド「カンペール(CAMPER)」では、これまでECのみで展開していたハイエンドライン「カンペールラボ(CAMPERLAB)」を初めて店頭で販売する。
ニューエラの店舗
また、新宿フラッグス開業時から出店(※撤退に伴い2018年に閉店)し、かつてテナントでトップの売上だったという「アメリカンラグシー(AMERICAN RAG CIE)」が4年ぶりに以前と同じ2階に再出店。再出店となる今回はヴィンテージアイテムを充実させたという。創業者でCEOのマーク・ワーツ(Mark Werts)も「ブランドとしてもナンバー1の売上があった店舗だったので、戻ってくることができて嬉しい」と話した。
このほか、2階では時計ブランドの「ハミルトン(HAMILTON)」と「ティソ(TISSOT)」が新規オープン。2階エントランス横のポップアップスペースには「世界一HAPPYなSHOP」をコンセプトとする「パルクアン カラー(Parc.1 color)」が第1弾として出店し、今後もファッションやファッション雑貨などシーズナブルなショップを展開していくという。
ハミルトンの店舗
◆ユニクロとGUで若年層の取り込みに成功
ジーユー店舗が構える7、8階部分には「MUSIC」を体現するテナントとして「タワーレコード(TOWER RECORDS)」の旗艦店が9、10階を含めて4フロアにわたり入居していたが、タワーレコード側も音楽の楽しみ方が変化したことを受け、2フロアに売り場を縮小した。ユニクロも4、5階の2フロア構成で営業している。ファーストリテイリングの2ブランドが入ったことで、新宿フラッグスでは来館者数が増えただけではなく若年層の来館が増え、客層の幅が広がったという。
グランドオープンする今年12月から1年間の来館者数は、コロナ前の2019年度同期比で1.3倍、売上高は同23%増を目標に掲げる。宮野氏はコロナ禍を機に来館者数を特に重視する考えで、グランドオープンで来館者数のさらなる伸長を期待する。
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