アップル、中国でAirDrop機能を制限
APPLE RESTRICTED USE OF AIRDROP ON IPHONES IN CHINA. PHOTO: HECTOR RETAMAL/AFP
APPLE RESTRICTED USE OF AIRDROP ON IPHONES IN CHINA. PHOTO: HECTOR RETAMAL/AFP
アップル、中国でAirDrop機能を制限
APPLE RESTRICTED USE OF AIRDROP ON IPHONES IN CHINA. PHOTO: HECTOR RETAMAL/AFP
中国の活動家たちが反政府メッセージ拡散のために使用していたエアドロップ機能が制限された。
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By Rachel Cheung Translated By Ai Nakayama TOKYO, JP
中国のデモ参加者たちが、ファイルの無線共有機能のAirDropを使い、中国政府を批判するメッセージをひそかに拡散した。その後アップルが、中国におけるiPhoneのAirDrop機能を制限した。
11月9日に提供開始されたiOS 16.1.1にiPhoneをアップデートした中国人ユーザーは、AirDropを通した〈すべての人〉からのファイルの受け取りに10分という制限時間が課される。
以前は〈すべての人〉からファイルを受信する際、制限時間はなかった。中国メディアの報道によると、現在は10分経過すると、そのデバイスでは〈連絡先のみ〉からのファイルしか受信できなくなってしまうようだ。
AirDropは中国において、比較的追跡しづらい、数少ないデジタルファイル共有ツールのひとつだ。中国ではSNSも個人間のメッセージアプリも、モデレーターや政府の検閲機関にチェックされている。
AirDropは最近、複数の中国居住者により、政府批判の画像を公共の場で拡散する際に使用された。この小さな抗議活動は、10月、北京の橋の上に習近平国家主席を批判する横断幕をかけ、ひとりで抗議を行なった「ブリッジマン(橋の男)」に連帯するものである。それからほどなくして、習国家主席は支配政党である中国共産党の総書記として異例となる3期目へと突入した。
今回のAirDropの制限により、上記のような抗議戦略でかけられる時間は著しく短縮される。
この報道について、中国のSNS、微博(ウェイボー)では、「これはApple側が譲歩したんだよ。検閲を避けるいい方法だったのに」というコメントが見受けられた。また、なぜ中国本土で販売されたiPhoneだけにこの機能制限が導入されたのか疑問を呈するユーザーもいた。
AppleがBloombergの取材に語ったところによると、この時間制限は望まないファイル共有を減らす目的で導入されたもので、今後1年で全世界に導入する予定だとされる。
Appleはこれまで、中国に屈したとして激しい批判を受けたことがある。まず2019年、中国が自国の領土の一部だと主張する台湾の旗を香港のiPhoneから削除した。またVPNや暗号化されたメッセージアプリ、宗教に関連するアプリなど、中国の法律に抵触する可能性があるセンシティブなアプリを、中国のAppStoreから積極的に削除している。
なお世界各地では、ペニスの写真や脅迫を送りつけるなど、AirDrop機能を使ったハラスメントが横行している。
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