南青山の名店ル・ベスべ代表、松岡龍守さんが選ぶ心がゆれた1冊
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OMOHARAREALでは秋の読書企画を2022年も開催。「本棚を見ればその人となりが分かる」なんてよく言われているけれど、表参道・原宿で働くスタッフたちのお気に入りの1冊、気になりません?今年の【私の1冊】のテーマは、心がゆれた1冊。気持ちが揺さぶられた、感動した、モチベーションが上がったなど、そんな1冊を紹介してもらいました。個性溢れるお店と人の魅力にもフォーカスしています。
今回、おすすめしてくれたのはル・ベスべ(Le Vésuve)代表の松岡龍守さん
松岡龍守(まつおか たつもり)/ル・ベスべ オーナー。フラワーデザイナー・高橋郁代さんとともに1997年にル・ベスべをオープンし、今年で25周年を迎えるル・ベスべの代表を務める。キラキラしたものを見つけるとワクワクするという松岡さんは日々、ル・ベスべに愛情を注ぎ、スタッフたちをあたたかく見守る。後進の育成に力を入れつつ、自身の花への探求と情熱は尽きない。
松岡さんおすすめの1冊は?
「Bloom(ブルーム)」/Lidewij Edelkoort,Anthon Beeke
「30年くらい前かな。南青山の5丁目に嶋田洋書店という店があったんだよね。2015年に閉めちゃったんだけど、そこでふと目に飛び込んできた一冊。
当時はル・ベスベをオープンする前で、花屋に勤めてたんだけど、そりゃあもう激務だったわけ。若かったから、野心もあってバリバリ働いてたんだよ。
そんな中で出会い、自分の“花”に対する価値観をさらに広く深くしてくれたフランスの雑誌。アート誌のような写真がとにかくすごいんだよ。花の持つ力を、これほど見事に表現していることに感動した1冊だね。
仕事の合間、休憩中に読むとさ、というかフランス語読めないから写真を見るんだけど、それが本当に素晴らしい。違う世界に連れて行ってくれるような、心の清涼剤だった。ある種の現実逃避というか、パンパンの頭にほんの少し隙間を作ってくれて、その隙間にポンとアイデアが降りてくる。不思議だよね。この本がくれたインスピレーションが、今のル・ベスべにも無意識的に受け継がれているかもしれない。」
■最新のル・ベスべ情報
花の旬を大切にしているル・ベスべでは、グラデーションのように繊細な、季節に応じた品揃えが魅力。取材した際にはマム(キク)やダリア、ゆずの枝物まで、秋を存分に感じる花たちが空間を秋らしく彩っていた。店内に入ると感じる秋の香りとラインナップに、思わず笑顔になってしまう。どんな花に出会えるか、店に入るその時まで想像するのも楽しみのひとつ。ぜひその繊細な感性に触れ、お気に入りの花々で日常を飾り付けてほしい。
ル・ベスべ(Le Vésuve)
表参道駅と広尾駅のちょうど中間あたりに位置する南青山のフラワーショップ。店主を務めていたフラワーデザイナー高橋郁代さんと、代表・松岡龍守さんの2人によって1997年に開業。以降、そのセンスの良さからたちまち人気となり、スタイリストやファッション誌などからも絶大な支持を受けた。2014年に高橋さんが亡くなって以降も、松岡さんと高橋さんが培ってきたセンスと技術はスタッフに受け継がれ、今なお人々を魅了し続けている。花の自然な色味を活かしたブーケが魅力。
Photo:OMOHARAREAL編集部
Text:Tomohisa Mochizuki
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