元あやまんJAPANのファンタジスタさくらだがプロデュースするブランド「すこしふしぎ(S.F sukoshifushigi)」が、2023年春夏コレクションを披露した。インスタレーション形式での発表は今回が初となる。
すこしふしぎは「いつ、どこにいても、なにをしていても、わたしがわたしを信じる力」をコンセプトに2013年に始動。ラグジュアリーブランドの服やアンティーク小物といったさくらだ自身が好きなものからインスピレーションを得たアイテムを展開している。これまでは展示会やオンラインストアで新作を発表・販売してきたが、同コレクションを本格的なブランドのスタートラインとして位置付け、インスタレーション形式で新作を発表した。
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インスタレーションでは、チューブトップワンピースをベースにしたスカートや形をあえて歪に崩したパーカーなどで構成した計7ルックを披露。2000年代初期のギャルファッションに憧れる自分と、流行のファッションで表面を装っているだけにすぎない自分の間に感じていた、さくらだ自身の葛藤をアイテムに落とし込んだ。
Image by: FASHIONSNAP
同コレクションでは、さくらだが15歳の時に亡くした父親のイメージをアイテムに投影。「足が太く、毛むくじゃらだった」という父親の足を再現したシューズを製作した。さくらだは「15歳で父と死別して、あまり実感が湧かないまま大人になってしまった。結果、自分の中の男性像が当時の感覚でストップしているような感覚があったので、自分のクリエイションをアップデートするためには一度過去を振り返り、清算しておく必要があると思った」と語る。
Image by: FASHIONSNAP
インスタレーションでは湿り気のあるビニールハウスをイメージしたセットの中に、新作を身に纏ったモデルを配置。セットの内外にあしらったシーラベンダーは、同コレクションのインスピレーションソースの一つとなったイギリスの児童書「思い出のマーニー」から着想を得た。心を閉ざしていた少女が自分自身と向き合い前に進むストーリーが、同コレクションで過去と向き合ったさくらだ自身とリンクしたという。
Image by: FASHIONSNAP
初のインスタレーション開催にあたり、さくらだは「2013年に三樹郎さん(『ミキオサカベ』デザイナー坂部三樹郎)たちが開催していた『絶命展』を見てから、一人前のデザイナーになりたいと思って活動してきた。今回のコレクションでは自分の半生を振り返ることで、ようやく自分のオリジナルデザインと向き合えたような感覚がある」とコメント。今後については「今がスタートラインだと思っているので、ひとまず続けていくことが1番の目標。私の作った服を見て少しでも『世界の見え方が変わる服』を届けていきたい」と話した。
■S.F sukoshifushigi
公式サイト
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