■ネット通販最大手のアマゾンは26日、48時間に及ぶプライム会員専用セールを10月中旬に行うことを発表した。2015年から実施されている年1回の大規模セールが初めて今年2回の開催となる。
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「プライム・アーリー・アクセス・セール(Prime Early Access Sale)」は10月11~12日の48時間。
米国やオーストリア、カナダ、中国など15ヶ国で開催されるが、日本は含まれていない。
プライムデーのセール名に「アーリー・アクセス」とあるように、アメリカでは11月の第4木曜日(感謝祭日)の翌日から始まるブラックフライデーセールを前倒しした形をとっている。
アマゾンによると今年7月12日と13日の48時間行われたセールではプライム会員が世界で3億点以上のアイテムを購入し、その割引総額は17億ドル(約2,400億円)を超えたとしていた。前年のプライムデーでの買い上げ点数は世界で2.5億品目だった。
1分間にすると世界で10万アイテムが購入され、米国内でも1分間で6万アイテムが購入されたのだ。大手Eコマース企業をモニターしている調査会社アドビ・アナリティクスによるとプライムデーの売上高は12日が60億ドル(約8,300億円)、13日が59億ドル(約8,200億円)と119億ドル(約1兆6,500億円)と試算しているのだ。
7月のプライムデーではアマゾンが開発した食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」でも大掛かりなセールを行った。
広告のトップには「プライムデーがやってきました(Prime day is here)」に「2日間のスゴイセール(Two days of epic deals)」と掲載したのだ。
プライムデー・オンリーとなった特価品は冷凍エビにベーコン、牛のひき肉の「ボゴ(BOGO: Buy One Get One)」。ボゴとは1つ購入すると2つ目がディスカウントや無料となるセールだが、プライムデーでは2つ目が無料となっていた。
ほかにもプライムデー・オンリーとして中サイズのアボガドが2つで1ドル、いちご1パック(約450グラム)が1ドル、とうもろこし5本で1ドルなど、9品目が半額となるディープディスカウントになっていたのだ。
トマトケチャップやポテトチップスのレイズスタックス、キャンベル・スープなど6品目が1ドル均一となっていた。
さらにクーポンもついており50ドル以上の買い物で10ドルオフのほか、プライム会員限定となる「40ドル以上のお買い物で20ドルのディスカウント」クーポンもあった。
また会員のみとしてブルーベリーにナス、アマゾン・フレッシュのベーコン、オートミルクがそれぞれ20%オフとなっていた。1
2日と13日では来店者にアマゾンのプライベートブランド「アプレンティ(Aplenty)」で、筒状のワッフルにチョコレートが入ったお菓子の無料進呈も行っていたのだ。
いまのところプレスリリース等で確認できるところではプライム・アーリー・アクセス・セールに合わせてアマゾン・フレッシュでもセールが行われるかどうかは言及されていない。
44店舗を展開するアマゾン・フレッシュは集客で苦戦している。ブラックフライデーセールの前倒しでもお客をハイテク・スーパーにも呼び込みたい本音がある。
一方で7月の大規模セールでは不都合な真実も露呈していた。レジをスキップできると謳っている自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト」を誰も利用していなかったのだ。
フルサービスのレジには15人以上が並び長い行列となっていたが、レジ行列を素通りして買い物ができることをウリにしているジャスト・ウォークアウトを利用している人はほぼいなかった。
お客は辛抱強く長いレジ行列に並んでいたのだ。ジャスト・ウォークアウトでは購入直後、レシートを即座に確認できないことで値引きされたかが分からない。
プライム会員限定の「40ドル以上のお買い物で20ドルのディスカウント」クーポンを使っても、ジャスト・ウォークアウトでは値引きされたかがすぐにはわからなかったのだ。
11月の感謝祭に向けてアマゾン・フレッシュでは七面鳥などをセールの目玉にしたいところだが、レジ行列が長くなる不都合な真実はさらけ出したくないだろう。
トップ画像:今年7月に開催されたプライムデーのアマゾン・フレッシュ。閑散としているアマゾン・フレッシュは大規模セールでオープン時以来の賑やかさとなっていた。
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