NMD_V3
Image by: FASHIONSNAP
「アディダス オリジナルス(adidas Originals)」のスニーカーといえば、「スタンスミス(STAN SMITH)」と「スーパースター(SUPERSTAR)」が浮かぶだろう。この2足は"アイコンスニーカー"として広く知られているが、アディダス オリジナルスは今夏から「エヌエムディー(NMD)」を新たなアイコンスニーカーにするための様々な取り組みを行っている。「過去作品の焼き増しばかり」と揶揄されるほど新しいアイコンを作ることが難しいスニーカー市場で、NMDをアイコンスニーカーと呼ばれるまでに押し上げることはできるのか。マーケティング事業本部マネージャーの栗原もも氏に話を聞いた。
そもそもアイコンスニーカーの定義についてアディダスは、「誰もが知っているモデルで、カルチャーシーンをリードしていくもの。時代や文化を超えた意志と価値を有するもの」としている。スタンスミスはテニス、スーパースターはバスケットボールとスポーツ用のモデルとして誕生し、長い歴史の中でライフスタイルシューズへと変わり、独自の進化を辿りアイコンとなった。そのためアディダスでは、「変わらない」ことが前提ではなく、常に現状に満足せずにアップデートを重ねることも重要視しているという。
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NMDは2015年に誕生したアディダス オリジナルス初のライフスタイルモデル。過去のアーカイヴと現代のテクノロジーを組み合わせ、「現代の都市を生きる人々」のために開発された。「マイクロペーサー」「ライジングスター」「ボストンスーパー」といったこれまでのランニングシューズを分解して組み合わせ、ミッドソールには最新技術の「ブースト(BOOST)」フォームを使用している。NMDのコンセプトに「破壊」と「再構築」があり、「過去を再定義し、未来を創造する」ことを体現するNMDが、「変わらないこと」を前提とするアディダス オリジナルスの未来のアイコンモデルに相応しいモデルだと考えたという。
時代に合わせて変化するNMDは現在大きく分けて3つのデザインを展開している。2015年に登場し、ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)らが着用したことなどで大きな話題を集めたオリジナルモデルの「NMD_R1」。ソールのスケルトンラバーが特徴で、2021年からアディダスCONFIRMEDアプリと一部の限られた店舗でのみ販売している希少性が高い「NMD_S1」。そしてアッパーにメッシュ素材を使用し、半透明のヒールクリップとミッドソールのTPUでアップデートした「NMD_V3」。今夏登場したNMD_V3は、コロナによる生活様式の変化をはじめ、多くの都市で再開発が進んだことなど、様々なものが変わる転換期を迎えていたこともあり、未来のカルチャーを牽引していく若年層に支持されるようフューチャリスティックなデザインを意識したという。
栗原氏はアイコンスニーカーになるためにはこれから生まれてくる様々なカルチャーと関わることが大切だといい、特定のコミュニティやシーンだけに限定した進化ではなく、多くのものが細分化される現代で時代の象徴となることを目指すという。その第一歩として、若年層からの支持も高い常田大希を起用したキャンペーン「MADE ORIGINALS 塗り替える。何度でも。」をスタート。そのほかこれまでアディダス オリジナルスが築いてきたカルチャーを紹介するイベントを開催するなど、若年層とカルチャーを繋ぎ合わせる活動を継続的に行い、アイコンとしての地位を確立させていきたい考えだ。
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