パタゴニア創業者 イヴォン・シュイナード © Campbell Brewer
「パタゴニア(Patagonia)」の創業者イヴォン・シュイナード(Yvon Chouinard)と同氏の家族が、同社の所有権を手放し、発行済み株式のすべてを環境団体などに譲渡すると発表した。米ニューヨーク・タイムズによると、30億ドル(約4300億円)に相当する。これにより、パタゴニアの事業に再投資されない資金のすべてを地球の自然を守るために活用していくという。
譲渡先は「故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というパタゴニアのミッションを守ることを目的に設立された「Patagonia Purpose Trust」と、自然を守る非営利団体「Holdfast Collective」。パタゴニアが保有するすべての無議決権株式(全株式の98%)は「Holdfast Collective」に、すべての議決権付株式(全株式の2%)は「Patagonia Purpose Trust」に移管される。
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イヴォン・シュイナードは「地球が私たちの唯一の株主」と題したウェブページで今回の株式譲渡の経緯について説明。パタゴニアを売却してその売却益をすべて寄付すること、会社の株式を公開することなどの選択肢があったが、「本当のところ、優れた選択肢はなかったのです。だから自分たちで作りました」とし、自然から価値あるものを収奪して投資家の富に変えるのではなく、パタゴニアが生み出す富を、すべての富の源である地球を守るために使用していくという。
なお、会社の経営陣に変更はないとしている。
■「地球が私たちの唯一の株主」特設ページ
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