メタバースやデジタルファッションの普及が進む現在、バーチャル空間において自分自身を表現するために不可欠な「アバター」も急速な広まりを見せている。そんなアバターを、知識がなくても誰でも簡単に作れることを目指して、3Dアバタープラットフォームサービス「molz(モルツ)」を開発中なのが株式会社DENDOHだ。先日、プレシードラウンドにて総額6,030万円の資金調達も完了し、今後の展開が期待されている。そこで、今回は「- Post Homo sapiens - アバターで人類をアップデートする」をミッションに掲げる同社の代表である押田大輝さんに、同サービスの概要について伺った。
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3Dアバター作成・管理サービス「molz」とは?
「molz」は、複数のメタバース空間を横断可能なデフォルメデザインの3Dアバターを、専門知識なしで誰でもゲームのような操作感で作成・着せ替えができるサービスだ。
押田さんは「幼い頃から身体が華奢で、現実世界の身体性の不自由さに常に疑問をいだいていた」という。それゆえ、ゲームなどのバーチャル世界にのめり込み、「アバターの可能性を肌で感じていた」と語る。
しかし、当時の技術では、自分好みのアバターを自由に着せ替えて楽しむためには専門ソフトなどを利用しなければならず、それを使いこなす知識も必須であった。そうした環境のなかで、押田さんの「バーチャル世界を楽しむために体験のハードルを下げたい」という思いが、株式会社DENDOHを立ち上げるきっかけとなった。
「molz」は拡張性も高く、「VRchat」や「Cluster」といったバーチャルSNSや、アバター等を使用した映像配信サービスなど、メタバース空間を横断的に利用(複数ファイルで書き出し)可能な技術も備えている。
誰もが手軽にバーチャル上で自己表現ができる世界の実現に向けて
押田さんは、現在大きな注目を集めているメタバースについて、単なる「バズワード」では終わらないと語る。「メタバース市場は急速に拡大しており、実際にバーチャル空間を楽しむアクティブなユーザーの方々、企業や行政の発信するバーチャル空間も増え続けています。メタバース時代の到来によって、これまで現実世界で過ごしてきた時間よりも多くの時間を、バーチャル空間で過ごすことは不可逆な流れです。若い世代ではこれまで現実社会での自己表現や交際費として使われていた資金が、デジタルファッションに利用され始めています。これからバーチャル空間で過ごす上で必要不可欠となるアバターを、より多くの方々に手軽に楽しんでいただけるサービスの実現に向けて弊社としても全力で投資していきます」
今後は、調達した資金を活用してグローバル展開を含むサービスの正式リリースと、ブランドやIPホルダーなど企業との連携強化にあたっていくとのこと。
「molz」の公開は、2022年の冬を予定しているそうだ。
「弊社は『1億総アバター時代』実現に向けて事業を展開しております。そのために『誰でも簡単にアバターを作成してメタバースで使える』プラットフォーム基盤を開発しています。そのプラットフォーム上で既存のファッションブランドと連携することで、メタバース版ファッションブランド『アバターブランド』を確立して、私たちが日頃着ている服をバーチャルの世界でも提供していきます」
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