代表取締役社長 小林一俊氏
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コーセーの2022年12月期第2四半期(1〜6月)の連結決算を発表した。売上高は1306億400万円(前年同期比4.4%増)、営業利益が72億900万円(同81.5%増)、経常利益が151億5800万円(同112.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が88億8300万円(同193.3%増)だった。中国のロックダウンの影響を受けたものの、「コスメデコルテ(DECORTÉ )」など日本の専門店・百貨店チャネルにおけるハイプレステージおよび、欧米での「タルト(tarte)」が実績をけん引し増収で着地。原価率が上昇したものの、販売費の抑制および期ずれの影響により増益となった。なお、2021年から決算期を3月末から12月末に変更し、9カ月(4~12月)の変則決算となるため、前年同期比は前年の比較対象期間に組み替えて算出した。
地域別売上で日本は行動制限の緩和により4月以降、緩やかな回復傾向にあり、ドラッグストアなどのマスチャネルでのコスメタリーも売上を大きく伸長したほか、専門店や百貨店チャネルにおけるハイプレステージが引き続き好調。コスメデコルテの新作ファンデーション「ゼン ウェア フルイド」や、アルビオンのベストセラー「薬用スキンコンディショナー エッセンシャルN」のリニューアルなどが売り上げをけん引し、売上高が前年同期比5.6%増の757億6000万円となった。「雪肌精」などのプレステージブランドは依然として苦戦を強いられている。
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アジア地域は防疫規制の緩和により韓国が回復したものの、中国本土での感染拡大による渡航制限で市場が低迷、ECセールイベント「618商戦」でも前年を下回るなど苦戦し、売上高は同4.3%減の360億9200万円だった。北米では、アメリカでのメイクアップ製品の回復に伴い、タルトのベースメイクやリップアイテムの人気が復活するなど堅調に推移し、同17.9%増の165億1400万円。
下期の施策としては、国内でアルビオンから新スキンケアシリーズ「フラルネ(FLARUNÉ)」を発売し、若年層の新客開拓を図る。雪肌精ではシリーズ全体を訴求するプロモーションにより立て直しを計画。伸長を続ける敏感肌ケアカテゴリーにおいては、カルテ HDや「セラミエイド(CERAMIAID)」などをグループ横断型のプロモーションを打ち出す。取締役経理部長の望月愼一氏は「7月以降は猛暑を受けて日焼け止めが非常に好調で、『メイク キープ ミスト』も順調に売り上げを伸ばしている。上半期に注力しきれなかった雪肌精は新たなプロモーションでテコ入れしていく」とし、前年を下回ったプレステージとコスメタリー事業の回復を見込む。
このほか中国では、10月に海南島にコスメデコルテの新たな旗艦店「海口新海港店」をオープン予定。売り場面積110平方メートルの広さで、リポソームシリーズやAQラインといった高級ラインを中心に展開する。免税店舗としては初めてトリートメントルームを設置し、充実した顧客体験の提供を目指す。雪肌精は海南島の免税店に全シリーズを取り揃えた専用カウンター「雪肌精グローバルカウンター」を初導入する予定で、ブランドの認知拡大に取り組む。
通期の連結業績予想は、ウクライナ情勢の悪化に伴う原燃料価格高騰や、円安の影響による原価率の上昇が予想されることから、営業利益を200億円(前回予想220億円)に下方修正。そのほか、売上高2930億円、経常利益226億円、親会社の所有者に帰属する当期利益165億円は当初計画通りに着地する見通し。
代表取締役社長 小林一俊氏
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取締役経理部長 望月愼一氏
経理部 IR室長 花倉浩子氏
執行役員 経営企画部長 原谷美典氏
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