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ダウンメーカー「ナンガ(NANGA)」が、家庭用羽毛布団を発売する。2021年にクラウドファンディングサイト「マクアケ(Makuake)」で羽毛布団を先行販売したところ、4000万円を超える支援が集まるほど好調だったことを受けて、今夏本格展開を開始。詳しい発売日や取扱店舗は追って発表される。
ナンガの前身は、現在も本社を構え、真綿布団の産地として知られる滋賀県米原市で1941年創業した布団メーカー「横田縫製」。国内大手布団メーカーからの縫製加工下請けなどを行っていたが、1995年に社名をナンガに変更し、国内アウトドアショップからのOEM製造依頼のほか、プライベートブランドとして寝袋の製造を開始した。布団製造から遠ざかってはいたものの、自社工場では希望する社員向けの"裏メニュー"として布団を製作しており、社内からは「家庭用の布団も製品化すべきだ」という声もあったという。ナンガのメインターゲットは「クオリティ・オブ・ライフに常にアンテナを張り巡らせているお客様」で、アウトドアだけでなく家でも快適な睡眠を求めていると考え、創業から80年の2021年に原点に立ち返る形で、アウトドアの過酷な環境下で培った寝袋作りのノウハウを家庭用布団に落とし込んだ。
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マクアケで販売したのは、掛け布団の「ダウン デュベ シングル(DOWN DUVET SINGLE)」「ダウン デュベ ダブル(DOWN DUVET DOUBLE)」と、それぞれの布団カバー「デュベカバー ナンガ マウンテン シングル(DUVET COVER NANGA MOUNTAIN SINGLE)」「デュベカバー ナンガ マウンテン ダブル(DUVET COVER NANGA MOUNTAIN DOUBLE)」の4アイテム。掛け布団は、寝袋の技術を応用し、キルト内を高さのある立体構造にすることで、羽毛がより膨らみやすい設計に仕上げた。また、上側の生地には軽い80番手の綿サテン、下側の生地は布団がずれにくいように60番手の綿サテンを使用した。
今夏は、マクアケで販売した「ダウン デュベ シングル」と「ダウン デュベ ダブル」に加え、自社研究機関「ナンガマウンテンラボラトリー(NANGA MOUNTAIN LABORATORY=NML)」でのデータを元にアップデートした「ダウン デュベ シングル デラックス(DOWN DUVET SINGLE DX)」と「ダウン デュベ ダブル デラックス(DOWN DUVET DOUBLE DX)」を展開。従来の羽毛布団は全面を四角のキルトで製作するが、デラックスシリーズでは首元と足にあたる上下中央を台形型にすることでより体に沿うように設計し、コールドスポットが発生しにくい仕様に仕上げた。また、一般的には全てのキルトに均等に羽毛を充填するが、ナンガマウンテンラボラトリーのデータに基づき、左右の羽毛量を減らし、体と最も接する中央部分を増量することで体をより暖かく保てるように調整した。なお、羽毛は国内工場で精製した高品質なホワイトダックダウンを使用。そのほか、布団カバーやブランケットも展開する。
台形のパネル
ナンガは、国内で羽毛布団を買う際の選択肢が少ないと感じているといい、羽毛布団シリーズがアイコンでもある寝袋と、近年力を入れているアパレルに並ぶ3つめの柱となることを目指す。6月には、長年の使用で劣化し、ボリュームが落ちて保温性が低下した羽毛布団の仕立て直しを行うアップサイクルサービス「Re:ACT」を開始。解体してクリーニングし、クリーニング過程で減少した羽毛を新たに追加してナンガの羽毛布団として返却するサービスで、今後は利用者の希望に合わせて羽毛布団を寝袋やダウンにアップサイクルするサービスの拡大も視野に入れているという。
■NANGA:公式サイト
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