デザイナー榎本光希が手掛ける「アタッチメント(ATTACHMENT)」と「ヴェイン(VEIN)」が、2023年春夏シーズンのコレクションを合同ランウェイショー形式で発表した。
アタッチメントは、メンズブランドとして1999年にスタート。2017年には大阪を拠点とする繊維専門商社のヤギがアタッチメントの全株式を取得し、子会社化。2022年春夏シーズンをもって創業者の熊⾕和幸が退任し、榎本光希がデザイナーに就任した。「人を引き立たせる服」をコンセプトに、ミニマルなデザインのアイテムを発表している。2023年春夏コレクションのテーマは「HORIZON」。カナダ人女性アーティストのアグネス・マーティンのグリッドのみで構成された絵画から着想を得て製作した。ヴェインは、「structural expressionism(=構造表現主義)」をコンセプトに服の構造自体をデザインと捉えた力強いコレクションを発表。ランウェショーの開催は今回が初となる。2023年春夏シーズンのテーマは、「INFORMEL」。ドローコードやジップなどを多用したアジャスタブルなディテールが特徴のアイテムを製作した。
ADVERTISING
両ブランド共に榎本がデザイナーを務めるが、合同でのランウェイショーは初開催となる。会場は、代々木公園第2体育館のエントランス。合同のランウェイショー開催に至った経緯について榎本は「異なるコンセプト持った2つのブランドを交錯させることでお互いのブランドがより豊かに見えるのではと考えた」と説明。ルック自体はそれぞれのブランドをミックスすることなくスタイリングしたが、複数人のモデルが、同時にランウェイ上で不規則に歩く事で2ブランドの交錯を表現したという。ショーの音楽は、老舗レーベル「Smalltown Supersound」に所属するアーティストYoshinori Hayashiが担当。異なるテイストの音源をミックスして音楽制作を行う同氏の音楽もまた、それぞれの特徴を体現しながらもランウェイの時間と空間を共有した今回のショーに花を添えていた。
合同ランウェイショーでは、2ブランド合計40体のルックを発表した。アタッチメントからは、2000年代のファッションから着想を得たシュリンク加工が施されたシャツや、内側に湾曲したシルエットが特徴的なパンツなどを披露。ヴェインからは、ジップのディテールによって立体的なシルエットを描いたレザーブルゾンや、ブランドのシグネチャーであるオーバーサイズの服を解体再構築した「リサイズ」シリーズのカットソーやパンツなどが登場した。
アタッチメントとヴェインの合同ランウェイショー
Image by: FASHIONSNAP
アタッチメントとヴェインの合同ランウェイショー
Image by: FASHIONSNAP
アタッチメントとヴェインの合同ランウェイショー
アタッチメントとヴェインの合同ランウェイショー
ショーを終えた榎本は、「2022年2月に開催したアタッチメントのランウェイショーや、今年6月にパリで行った展示会を通じて、アタッチメントとヴェインのクリエイションに対して確かな手応えを感じた。合同ランウェイショーを行ったことでその手応えをより強く実感できた」とコメント。今後また2ブランド合同のランウェイショーを開催するかは未定だが、ショー形式での発表は継続していきたい考えだ。
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境