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政府が6月27日、東京電力管内の電力需給が厳しくなる見込みだとして「電力需給ひっ迫注意報」を発令した。関東甲信地方では同日、過去最短となる梅雨明けが発表され、猛暑日が続くことが予想されている。政府はあす28日も厳しい暑さが続き電力需要が極めて高水準で推移する見通しとして、引き続き電力需給ひっ迫注意報を継続する。これを受けて、関東圏の大手百貨店や商業施設は節電対応の強化に追われている。
そごう・西武の7店舗では、27日から屋上ネオン看板や、外構などで営業に支障のない照明灯の消灯を実施しているほか、無人のバックヤードの消灯といった館内の節電の見回り強化を図る取り組みを始めた。ルミネも同日から9月30日までの期間、一部の照明節電と空調温度変更を実施すると発表。松屋は同日15時から一部の客用エレベーターの稼働を急遽停止した。あす以降も同様の対応を続けるのかについては未定としている。
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三越伊勢丹各店では電力需給ひっ迫を見越し、6月中旬ごろから主にバックヤードの一部照明の消灯や、従業員用エレベーターの間引き運転、店舗外壁の照明の時短点灯など取り組みを開始できるものから節電対策を行っている。三越日本橋店と三越銀座店は7月1日から開始する予定を前倒ししたという。7月以降、伊勢丹新宿店、三越日本橋店、三越銀座店では閉店時間にあわせて20時以降の外壁照明の消灯や店内空調の停止といった対応策を検討しているが、「来店客の買い物に影響が及ばない」ことを最優先とする。パルコでは共用およびバックヤード照明の消灯や点灯時間調整を行っているほか、館内エスカレーター起動時刻の後ろ倒し、客用エレベーターの一部停止などに取り組んでおり、今後についても各店舗と連動して電力消費のさらなる改善を検討していくという。
高島屋横浜店では、6月初旬から実施している間引き点灯や空調設定の引き上げに加えて、27日からバックヤード照明の消灯、6機あるエレベーターのうち2機の稼働停止、正面玄関に東京電力による電力状況掲示を始めた。また、「自宅で揚げ物をすると部屋の温度があがり、冷房をつけたり、設定温度を下げたりするため」という考えから、注意報または警報が発令された日の15時~18時の間、揚げ物の値引きを行うタイムセールサービスを導入した。主な値下げ対象商品は、「まい泉」のヒレカツサンド(421円→371円)や「勝烈庵」の一口ヒレカツ4枚(778円→735円/いずれも税込)など。なお、電力の安定供給に必要な予備率が最低限必要な3%を下回り、電力需給ひっ迫警報に切り替わった場合は追加の対応策を検討するという。
アパレル小売業界では6月から夏のセールが徐々に始まっており、7月1日から開催する店舗も多い。百貨店関係者は「セールのスタートもあり暑くなれば夏物の売れ行きに期待できるが、あまりに暑すぎると熱中症対策として政府から外出を控えるアナウンスも出てくると思う。そうなったら消費にも影響するだろう」と懸念を示している。
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