モノの飽和、モノからサービスへ、そしてサービスのコモディティ化。サービスづくりに関する課題は後を絶たない。
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今回の記事では、日本の各業界が抱えている課題と、それを解決するためのこれからの企業の「大命題」についてお伝えする。
体験を通じたユーザーエンゲージメント向上
結論から言うと、これからの企業の大命題は、ユーザーエンゲージメントを高めることである。
そもそも、ユーザーエンゲージメントとは、一言で表現すると、企業やブランドに対し、そのユーザーや顧客が抱く愛着や思い入れのこと。
一般的に、企業やブランドのファンになっている状態やサービスやプロダクトを継続的に利用している状態を「ユーザーエンゲージメントが高い」状態と言うことができるだろう。
そして、そんなユーザーエンゲージメントを高めるには「体験」を通してそのブランドの価値を認識してもらう必要がある。
業界を問わず横たわる課題
では、なぜユーザーエンゲージメントを高めることが必要なのだろう。現在、多くの業界が共通で持っている課題に着目することから始めていきたい。
不透明な顧客像
それは、「顧客が見えていない」という課題だ。
例えば、商品やサービスを開発し、それらを小売店や代理店を介して販売することで売上を上げているケースだと、この課題は特に当てはまるかもしれない。
この場合、エンドユーザーと関わり、彼らのニーズや感覚など、生の声に触れることができるのは、小売店や代理店の販売者ということになる。
つまり、商品を生み出すその企業自身は、直にエンドユーザーとなる顧客の声を聞くことが難しい。その結果、彼らの声や意見を吸い上げたり、結びつきを作ったりすることに苦戦することになってしまう。
技術力による差別化に終止符
また一方で、どの業界においても、技術だけでは競合他社との差別化を図ることが困難になっているという時代の大きな流れも考慮しなければならない。
技術力やそれによって実現される機能性が重要であることは言うまでもないだろう。
しかし、昨今では、多くの業界において技術は飽和に近い状態で、すなわち技術や機能のみでは差別化要因にならない状況になってきているのではないだろうか。
ユーザーエンゲージメントが鍵
技術一本では差別化が難しいとなれば、別の軸を持たなければならない。そしてその軸こそが「ブランド価値」であり、最終的には「ユーザーエンゲージメント」なのである。
ブランド価値とは、そのブランドにしかない唯一無二性ゆえに、ユーザーが感じる満足感や幸福感と表現することができるだろう。
これからは、「なぜユーザーが自身のブランドのサービスを買うのか?」「なぜユーザーは、類似したサービスは他に存在するにも関わらず、あえて自身のブランドのサービスを利用するのか?」
こうした問いに対し、企業やブランド自身が明快な回答を持つ必要がますます高まっている。
コピー不可能な「情緒的価値」で差別化を図れ
サービスそのものの性能のような「機能的価値」のみならず、「情緒的価値」と呼ばれる、サービスを利用することでユーザーの気分が高まる、ユーザーを夢中にさせる要素が必要である。
そしてそれが、他社や他のブランドとの差別化になることを企業やブランド自身が今一度認識する必要がある。
そして、そのような差別化に一役買ってくれる自分たち特有の要素を、企業やブランド自身が自覚することが重要なのだ。
ユーザーエンゲージメントを高めるには?
では、ユーザーエンゲージメントをどう高めていくのか。
その手段の一つとして挙げられるのが、ユーザーのニーズを適切に理解し、求められている体験を提供すること。すなわち「UXデザインを強化すること」だ。
新たなUXデザインの考え方
そして本記事においては、UXデザインの中でも「新たなUXデザイン」の必要性が高まっていることを強調しておきたい。そこで、「従来のUXデザイン」との比較でまとめてみたい。
従来のUXデザイン
主となる考え方:ユーザー起点
問い:「どうすればユーザー体験の質を上げられるか」
新たなUXデザイン
主となる考え方:ユーザー起点 + 企業/ブランド起点
問い:「ブランドとしてどうありたいか?」
「ブランドの声」をサービスに込める重要性
新たなUXデザインにおいては、従来のUXデザインの考え方は基本としながらも、それに加えて「ブランドがどうありたいか」をブランド起点で考え、発信することも求められる。
ユーザーの声を聞くことの重要性については、小売店や代理店を介した販売ケースを交えて冒頭で述べた通りだが、ブランド起点も同様にとても重要であることをお伝えしたい。
企業やブランドが持つ「ビジョン」やサービス提供を通じて「実現したい世界観」を自ら認識し、サービス体験に落とし込むことを重視すべきなのだ。
その企業ブランドらしいサービス体験を提供することは、ユーザーがそのブランドの提供しようとしている価値に共感し、サービスを購入したり利用したりする理由になる。
また、企業やブランド側から「ユーザーに伝えたいこと」を起点にサービスづくりをしていると、その過程において「自分たちの届けたいこと」が明確になる。
そうすることで、よりブランドの熱量が伝わるようになり、ユーザーにとって魅力的に映る効果もある。
そのブランドの在り方に共感することは、ユーザーエンゲージメントが高まることであり、そうした人が増えることは、ブランドのファンが増えることと言えるだろう。
では最後に、ユーザーエンゲージメントを高め、ブランドのファンを増やすための新たなUXについてより詳しく見ていこう。
新たなUXデザイン その正体は?
実は、「新たなUXデザイン」という表現で先述してきた内容は「CXデザイン(Customer Experience) に近い概念である。
btraxでは、CXデザインとUXデザインの関係性を上記のように定義している。
CXデザインとUXデザインは包含関係にある。CXを考えることはすなわち、ユーザーのみならず、顧客と企業との全ての接点と、各々の接点で提供される体験の質を包括的に設計することを意味する。
また、CXデザインの対象となる要素の一つにブランドイメージがあることがお分かりいただけるだろう。
btraxが考える新たなサービスモデル
今の企業の命題はユーザーエンゲージメントを高めること。だからこそ「新たなUXデザイン」の必要性は高まっており、UXのみならずCXまで範囲を広げて考える必要がある。
btraxでは上記のような課題を持っている企業・ブランドのニーズに応えるべく、サービスモデルを刷新し、リサーチ〜ファンづくりまでのプロセスを一気通貫して伴走している。
具体的には上記の図にあるプロセスだ。
User & Market Research
まずは、User & Market Researchとして、その後のBrand、Service、Communication Designの基礎となるユーザーや市場ニーズの理解と深掘りを行う。
Brand Design
その上で、Brand Designのプロセスで企業やブランド側のビジョンを言語化し、ユーザーニーズとの接点を探りながら、その企業やブランドのCore Valueを明確にしていく。
Service Design
そして、Service Designのプロセスで、ユーザーにコアバリューを伝えていくための具体的な体験・サービスアイディアをデザインし、ユーザーからのフィードバックを得ながら改善を行っていく。
Communication Design
最終的にCommunication Designのプロセスを通じて、より多くのコアユーザーにリーチし、ユーザーとブランドとの関係性を深めていく。
結果的にこのプロセスは、本記事を通じてその重要性をお伝えしてきたCXの考え方にも通ずるものがある。
リサーチからブランディング、サービスデザイン、そして、コミュニケーションに至るまでを一連の流れとして捉え、各過程においてユーザーおよび顧客に提供価値をどのようにして届けるのかを重要視しているプロセスだ。
btraxのサービス内容をより詳しく知りたい方は、ぜひ会社概要PDFをご覧ください。
Mitsutaka Kaneko(金子 充孝)
Tokyo General Manager
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