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「髪は黒、下着は白」都立高のブラック校則がついに撤廃

制服を着た高校生の写真

2022年4月1日から、都立高の生徒たちは服装や行動の自由を保障された。PHOTO: STANISLAV KOGIKU/SOPA IMAGES/LIGHTROCKET VIA GETTY IMAGES

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日本の高校では、悪名高い厳しい校則によって生徒の外見や行動が長らく規定されてきた。

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By Hanako Montgomery Translated By Nozomi Otaki

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2022年4月1日から、都立高の生徒たちは服装や行動の自由を保障された。PHOTO: STANISLAV KOGIKU/SOPA IMAGES/LIGHTROCKET VIA GETTY IMAGES

都立高校の生徒たちは、もう自分の髪を黒く染めたり、指定された色(主に白)の下着を身につける必要はない。生徒の自己表現が阻害されるとして近年批判の声が高まっていた校則が、ようやく撤廃されたのだ。

数十年にわたり、日本の学校は生徒の外見や行動を規定してきた。公立校の服装規定では、黒髪、白の下着、髪を下ろすことが義務付けられていることが多い。特に女子生徒は、うなじが男子生徒の〈欲情を煽る〉可能性があるという性差別的な言い訳を理由に、長らくポニーテールを禁止されてきた。

しかし、親や生徒から、〈ブラック校則〉として知られるこのような厳しい規則が生徒の自由や個性を阻害しているという訴えが相次いだため、東京都教育委員会は2022年2月、これらの規則を撤廃することを決定した。4月1日から、都内の約200校が物議を醸した5つの校則を廃止し、生徒の容姿に関する強引な規制を終わらせようという全国的な動きに加わった。

「私たちがようやく時代に追いつきつつあるのはすばらしいことです」と東京都立国際高等学校を卒業したばかりのイイダチセさんはVICE World Newsに語った。

中学でブラック校則を体験したという彼女は、息の詰まるような規則について、このように説明する。

「スカートの長さが厳格に決められていて、絶対に折ってはいけないといわれました。膝上のスカートを履いていたら、生徒たちは厳しく注意されました」

髪や下着の色の規定の撤廃に加え、学校はサイドが短くトップが長いツーブロックなど、より幅広い髪型も許可した。さらに、停学中の生徒も登校を許され、自宅で謹慎する代わりに、クラスメイトから離れた別室で過ごすことになる。

さらに、高校生らしい見た目や行動を規定する指針において、曖昧な表現を使用することも禁止された。

これらの厳しい規則が日本の学校で誕生したのは、1970年代から1980年代。校内暴力やいじめを厳重に取り締まるため、教師たちがより厳しい規制を課した。その結果、学校関連の非行は減ったが、学生生活を制限する規則は、大半の学校で今日まで残り続けていた。

非行が減った後は、厳しい校則を批判する声はほとんどなかったが、2017年、大阪府の高校生が精神的苦痛を受けたとして出身校を訴えたことをきっかけに、再びブラック校則の問題に全国的な注目が集まる。

この匿名の女子生徒は、茶色の地毛を黒く染めるよう、学校から繰り返し注意されたという。当初は校則に従ったが、彼女が黒染めをやめると、学校職員に教室から机を撤去され、名簿から名前を消され、髪の根元を確認されるようになった。今年2月、裁判所は大阪府に33万円の賠償を命じたが、そのいっぽうで学校には頭髪の規制を課す権利があるとした。

子供の教育を支援し、いじめに反対するNPOの草の根支援団体も、教育委員会に校則の見直しを求めた。

いじめに反対するNPO法人〈ストップいじめ!ナビ〉副代表理事の須永祐慈氏は、最近の変化はボトムアップの活動によるところが大きいと説明する。

校則の見直しを促すため、NPO法人はこれらの校則がどれほど普及しているのか情報を集め、県や市の教育委員会へ証拠として提出した、と須永氏はVICE World Newsに語った。

親や生徒からの反対の声が増えたことも、変化を後押ししたという。これらの校則が生徒の生活に与える影響について学校全体で話し合うべきだという声も多かった、と2018年にブラック校則に関する全国的なプロジェクトを始めた須永氏は説明する。

東京都教育委員会による近年の改革は、昨年、都内の学校の240課程のうち216課程でブラック校則が採用されていることが判明した後に起こった。

都の教育委員会は、学校にこれらの校則の必要性を見直すように呼びかけた。その後、すべての学校で、生徒会と教師がどの規則を廃止するべきか話し合った。昨年12月までに、全都立高校が5項目のブラック校則を撤廃することを決定した。

しかし、生徒に生まれつきの髪色や髪質を証明させる校則は、依然として残っている。東京都教育委員会は、この校則を残した理由を説明しなかったが、須永氏は規律の維持と関係しているのではないかと推測する。

「髪は、生徒にふさわしい行動を管理、強制する最も簡単な方法のひとつです」と彼はいう。「生徒を取り締まる規則を完全に撤廃したら、全く手に負えなくなるのではないか、と心配している先生も多く、それを病的なまでに恐れているひともいます」

全国で最も高校が多いのは東京都だが、なかには首都よりも先にブラック校則撤廃に踏み切った県もある。

2019年、岐阜県は1年後にすべての県立高でこれらの校則を撤廃すると発表した。今年3月には、佐賀県でも下着の色に関する校則が廃止された。

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