ターゲットの株価が20%以上も暴落した。40年ぶりのインフレが35年ぶりとなる株価の下げ幅を招いたのだ。
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ターゲットが18日に発表した第1四半期(2月~4月期)決算は、物価高の影響をモロに受けたかたちとなり純利益が52%の減少となった。
売上高は251.7億ドルと前年同期比4%の増加となった。しかし純利益は輸送費や人件費などのコスト負担が増大し、在庫品の処分が重荷になったことで51.9%の減少だった。
高インフレを背景に顧客が低粗利商品にシフトしていることに加え、気温低下で春物ファッションが振るわず粗利益率は前年同期の30.0%から25.7%と4.3ポイントも減少した。
一般販売管理比率も18.6%から18.9%と0.3ポイント上昇したことで営業利益率が前年同期の9.8%から5.3%とほぼ半減したのだ。
家電やアパレル、スポーツ用品などの販売が低迷し、在庫品処分のセールで利益を毀損した。また長期化するサプライチェーン問題で輸送費の増加や人件費の上昇も響いた。
一方、既存店・売上高前年同期比はトランクなど旅行関連の商品が好調で3.3%の増加となった。これにより既存店ベースがパンデミックを含めて20四半期連続で前年を上回ったことになる。なお前年同期は政府の特別給付金が支給されるなどで22.9%の大幅な増加だった。
ターゲットの既存店ベースの内訳は客数が3.9%の増加となったものの、客単価は0.6%の減少となっている。デジタルを除く店舗のみの既存店ベースは3.4%の増加だった。
ターゲットのネット販売でも店頭在庫から出荷されるオンライン売上は96%以上を占めた。
これには当日宅配サービスや店舗の専用駐車スペースで受け取るカーブサイド・ピックアップ・サービス「ドライブ・アップ(Drive Up)」、ネット注文品を店内のカウンターで受け取るボピスの「オーダー・ピックアップ(Order PickUp)」がある。これらの即日サービスは前年同期が120%以上成長していたあおりで今期は8%の増加にとどまった。
売上全体に占める店売上は前年同期の81.7%から81.8%となり、売り場での買い物に若干シフトしていることが伺える。
これによりオンライン売上は全体の18.2%(前年同期は18.3%)となっている。
ターゲットのプライベートブランドカードの「レッドカード(RedCard)」利用率は減少傾向となっている。
クレジットカードやデビットカードのレッドカード普及率は20.3%となり、前年同期の20.5%から0.2ポイント減少した。
ターゲットは国内に1,933店を展開しており、その内訳はスーパーセンター業態など4,760坪以上の大型店が274店(前期から変わらず、前年同期から1店舗増)、1,400坪~4,760坪未満の通常のディスカウントストア・フォーマットは1,519店(前期から3店舗増、前年同期からは9店舗の増加)となっている。
「フレキシブル・フォーマット(flexible format)」と呼ばれている1,400坪以下の小型店は前年同期から14店舗も増やし140店舗となった(前期からは4店舗の増加)。
決算発表となった18日、ターゲットの株価は1日の下げ幅では1987年10月のブラックマンデーに記録した暴落に次ぐ落ち込みとなっている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当ブログでは何度もしていますが、後藤はインフレを応援しています(笑)。なぜならガソリン価格や食品価格の急騰でパリピの活動は停止しているからです。数年前に近所に引っ越してきた中南米系の人たちにより週末、賑やかになるのです。それが40年ぶりとなるインフレで見事に冬ごもりのようになっています。活動を抑えて体温を低下させ食料の少ない冬を過ごす昆虫の生態と同じですね。リセッションも予想されている現在、少しでもパリピの冬眠が長くなることで(若干、不謹慎ではありますが)感謝の気持ちです。ターゲットの決算はまさに景気後退の足音が聞こえるものとなりました。旅行関係の商品が売れていることで消費はまだ幾分残っていますが、ファッションにはもうお金が向かっていないということですね。ウォルマートによると消費者は1ガロンから半ガロンのミルクにシフトし、デリのハムもPBにスイッチしています。アパレルに行くお金も乏しく、52%の減益も重なりターゲット株は歴史的な暴落を記録したのです。
「拡大して後退して悪化して回復」と循環していくのが景気のシクリカル。久しぶりの悪化でパリピ指数がどのように変動するのかを身を持って実感したいと思います。
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