ワークマンのロゴ
Image by: FASHIONSNAP
「ワークマンプラス(WORKMAN Plus)」「#ワークマン女子」といった新業態で成功を収めてきたワークマンは、次の一手として雨天時の装いを切り口とした新たな業態"ワークマン レイン"を将来的に立ち上げる。「レインウェアの総合モールを作る」というワークマンの土屋哲雄専務取締役が構想を明かした。
同計画では、雨天時の着用に適したウェアやシューズ、傘、小物を重点的に取り揃える業態を展開。既存商品を中心にラインナップする予定で、あくまで「雨天」という天候を切り口に売り場構成や商品の見せ方を変えることで、雨天時のファッションを訴求する戦略だ。土屋専務は「雨の時に着るものといえばカッパ一択のイメージが強い。小雨の時、本降りの時、大雨の時など...降水量が1mm違えば本来は着るものも変わってくる。それが伝わるような実験を実際に雨を降らせて行う店舗を作る計画」と話す。
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「例えば、大雨の時にはこういう服を着ると良い、普通の雨の日に10分程度歩く場合であればこういう服が適している、といった形でシーン別に最適な装いを伝えるような、教育的な店舗を作っていけたらと考えている。ただ、水を使用するので一般的な店舗の作りでは実現するのは中々難しい。まずは条件に合った館を見つけることが必要」(土屋専務)。具体的な出店場所は未定だが、将来的には実験スペースを備えた300坪規模の「ワークマンレイン」単体の旗艦店を作る構想だという。「これから設計等に着手していくので、実現までに3〜4年はかかるだろう。300坪の広さを確保する店舗を、国道16号線の中にある商業施設に出店できたら」と話す。
同社の製品は、作業服の機能性を取り入れて開発されたアイテムが揃っており、過酷な気象環境下にも強い防風、防寒、撥水、防水を備えたウェアや防水防寒シューズが充実している。ワークマンが毎年開催している、暴風雨や雪などさまざまな天候を想定した「過酷ファッションショー」は同社の目玉イベントの一つで、以前よりあらゆる天候・シーンに耐えうる機能性の高さをアピールしてきた。
膨大な商品数の中から、他社がまだ試みていない独自の切り口や編集方法で、顧客のニーズを捉えた訴求を行うワークマン。土屋専務は「天気予報では普段、『雨か、晴れか?』のみをチェックしている人が多いと思う。ワークマンレインを通じて、天気予報の傘マークだけではなく降水量まで見ながら、より適した服を選ぶことが可能になる」と話す。ワークマンの新たな挑戦が、消費者の服選びの基準に変化をもたらす契機となりそうだ。
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