TOKYO BASEが展開するオリジナルブランド「ユナイテッド トウキョウ(UNITED TOKYO)」が、都内で2022年秋冬コレクションのショーを行った。同ブランドのショーは5年ぶり。海外出店も加速させるユナイテッド トウキョウが体現したものとは? ショー開催の狙いを聞いた。
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ユナイテッド トウキョウは2015年にデビュー。セレクトショップ「ステュディオス(STUDIOUS)」をはじめ、業態の種類を拡大しているTOKYO BASEの中でも「コンテンポラリーモードブランド」と位置付けられている。現在は9人のデザイナーがチームとなって運営している。
初のショーとなった前回は、東京のファッションウィーク「Amazon Fashion Week TOKYO 2018S/S」のプログラムの一環として2017年に開催。それ以降、中国を中心に海外でも店舗網を広げ、2022年1月期は新たに5店舗を出店し、同期末時点で海外の実店舗は8店舗体制となっている。海外における事業単体の売上高は7億4200万円(前年比13.7%増 ※2022年1月期は決算期変更による11ヶ月の変則決算)。
5年ぶりに開催した今回のショーのテーマは「雪月風花」。「冬の雪」「秋の月」「夏の風」「春の花」という季節の象徴的な題材から着想を得て、四季の自然風景とその移ろいを表現したという。
夏のルックでは、古来の礼装である袴を連想させるスーパーワイドパンツ、クリスタルビーズやパールを使ったコレクションピースなどが登場。秋のルックはリンドウの花や矢羽ススキからインスピレーションを受け、ジャカードの織物に秋の情景を落とし込んだ。冬景色や日本の禅庭から着想したという冬のルックは、枯山水からインスピレーションを得てオリジナルの文様をデザイナー自らの手で仕上げた刺繍モチーフのトップスを中心に、ハンドメイドニットや透けるレースやチュール、細やかな刺繍を施したマテリアルを多用。フィナーレとなった春のルックでは、真冬の情景から連想する「真白」と春の訪れを感じさせる「撫子色」の柔らかなコントラストをテキスタイルで表現した。
Image by: UNITED TOKYO
制作過程においては、日本の伝統技術や産地と創意工夫を今まで以上に重ねたという。ディレクションはクリエイションチーム「マーゴ(Margt)」、スタイリングは島田辰哉、ヘアスタイリングはTAKAI、メイクアップは吉田佳奈子、音楽はMONJOEがそれぞれ担当。コレクションではマーゴとのコラボレーションアイテムも披露した。
5年ぶりのショーに踏み切った狙いについて、TOKYO BASEは「マーケットインではなくプロダクトアウトのファッションブランドであるという方向性を社内外へ伝えるため」と回答。世界に通じるプロダクトアウトのファッションブランドとして展開していくことを踏まえて、デザイナーに対しても各ジャンルのプロフェッショナルとの協働からブランド作りに活かしてほしいという思いを込めたという。
ショーの終了後は来場者向けに受注会を開催。具体的な受注金額は非公表としているが、同社によると「5年前実績の2倍となった」という。また、5年前のコレクションはベーシックアイテムも揃えていたのに対し、今回はコレクションラインのみで受注をとることができたことは大きな収穫だと捉えている。なお、ブランド公式オンラインストアと神宮前店では4月10日までコレクションピースの受注を行っている。
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