デザイナーによるプロダクト製作は、技術や素材などの進化によって大きく変化してきましたが、その変化に終わりはないでしょう。そう実感させてくれそうな展示会が4月6日(水)~4月10日(日)の期間、東京都渋谷区のelephant STUDIOにて開催されます。
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同展示会は、株式会社QUANTUM(以下、quantum)と株式会社ストラタシス・ジャパン(以下、ストラタシス)が共同で開催。quantumのAIデザインプロジェクト「mitate」の初となる展示会です。
人とAIの違い、共創の可能性を探る
「mitate」は、AIが得意とする“特徴の抽出”という能力やフルカラー3Dプリンターの造形技術をモノ作りに応用し、デザイナーによって新たなプロダクトを生み出すプロジェクト。人とAIのモノに対する認知の違いや、人とAIが共に制作を行うことの可能性について検証を試みるものです。
今回は、器の画像を学習させた画像生成系AI「mitate AI」が“見立て”を行い、そのデザインをもとに器を具現化します。
“見立て”とは、対象をほかのものになぞらえて表現すること。日本では枯山水や和菓子など“何かに見立てた”デザインが多く存在します。こういったデザインは固有の知識・経験をもとに創造されますが、もし創造したのが限定的な情報を固有の知識・経験として学習したAIだったなら……。
AIが見立て、人が選び、3Dプリンタで具現化
このたびのプロジェクトでは、まず「mitate AI」がニューラルネットワークを介して動植物や景色などに見立てた器の画像を生成します。たとえば、ブロッコリーの画像を入力するとブロッコリーのような特徴を持った器の画像を生成するということです。
ニューラルネットワークの特性上、生成される器の画像は色も形も毎回異なります。デザイナーは、その画像のなかから美しいものを選出し、アウトラインをもとに3Dデータ化。ストラタシスのフルカラー3Dプリンタ「J850 Prime」によって造形します。
こうして作り出された器をニューラルネットワークを表現した光拡散ファイバーで構成される空間に展示。器が浮遊する様子を楽しめるといいます。
期間限定アプリやトークイベントも
展示期間中は、「mitate AI」による画像の“見立て”を体験できるアプリを限定公開するとのこと。手持ちの画像や撮影した写真データを入力すると、AIが見立てた世界にひとつしかない器の画像が生成されるようです。
また、会期2日目の4月7日(木)には、quantum執行役員・チーフデザイナー 門田慎太郎氏とストラタシスアプリケーションチームリーダー 竹内翔一氏によるトークイベントの配信も予定されています。
スタートアップスタジオquantum
quantumは、発想から実装まで事業開発のすべてを活動領域とし、新しいプロダクトやサービスを創出するスタートアップスタジオです。自社事業はもちろん、70社以上の企業や大学との共同開発を通じて多様な新規事業を生み出してきました。
たとえば、物理的な力を加えると発電して暗号化された通信ができるパナソニックの「ワイヤレスバッテリーレススイッチ」を活用したバッテリーレススマートボタン「eny」、NTTドコモの自動翻訳アプリ「はなして翻訳」などを開発しています。
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株式会社QUANTUM
(文・Higuchi)
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