PCのジャンルで「自作」といえば、デスクトップPC本体でしょう。予算に応じて自分好みのスペックにできたり、流行りの光るパーツを取り込めたり、こだわり派のPCユーザーから支持を得ています。
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この「自作」の波が、キーボードにも押し寄せています。
キーボードは、PC使用時にずっと触れているもの。とくに、コロナ禍でテレワークが増えてから、PC回りのガジェットを自分好みにしたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
自作とまではいかなくても、「もうちょっと使い勝手がいいものに変えたい」「デスクと合わせたカラーリングにしたい」などと感じる人もいることでしょう。
そこで今回は、PCキーボードの世界についてご紹介します。
世界に一つだけのマイキーボードを、自作の世界
キーボードは、大きく分けて、本体(ケース)・キースイッチ・キーキャップの3つのパーツで構成されています。自作キーボードでは、これらすべてを自分仕様にカスタマイズすることができます。
本体(ケース)
本体(ケース)は、比較的安価なプラスチック製から重厚感のあるアルミ製などがあります。独特の風合いとぬくもりを楽しむことができる木製や竹製のケースや、パームレスト一体型などもあるので、予算とイメージに応じて選択できるようになっています。
また、完成品として販売されているキーボードにはない特徴として、分割型があります。これは左右2つにキーボード本体が分割されているタイプのことを指します。
肩こりの軽減やより効率的なキーボード入力ができることを目指して開発されているもので、多少の慣れが必要ですが、自作ならではの選択肢と言えます。
キースイッチ
キースイッチは、キーボードの打鍵感が変わる重要なパーツです。
キーを押したときに静かなタイプ、カチャカチャ音がするクリック感のあるタイプなど、いくつかの選択肢があります。専門ショップでは、「赤軸」「青軸」などの名称で販売されており、CherryやGateronなどが有名です。
打鍵感は好みがありますが、Zoomなどオンラインミーティングでの使用であれば、静音タイプがベターです。クリック感のあるタイプはキー入力している感覚が味わえますが、打鍵音が大きくなってしまうため、静かな環境だと音が気になる場合があります。
キーキャップ
キーキャップは、キースイッチの上に被せるものです。
通常は文字が印刷されていますが、自作の場合、何も印刷されていないキーキャップを選ぶことができます。カラーも豊富にラインナップされていて、ゲーマーのなかには、ゲームでよく使うキーのみ別カラーのキーキャップを使うという人もいます。
また、アクセサリー的なキーキャップも。通常は入力時に表示される「文字」に対応するキーキャップを使用しますが、「絵文字」や「シンボルマーク」が描かれているキーキャップがあります。なかには、猫の肉球やフルーツなどの立体的なキーキャップも販売されているほどです。
これらの自作キーボード用パーツはネットショップで購入可能で、「遊舎工房」は国内にあるショップとして有名です(リアル店舗もあります)。
完成品として市販されているキーボードと比較すると、自作キーボードは高価で、組み立てやはんだ付けをする必要がありますが、自分仕様のこだわりはなにものにも代えがたいものがあります。
ゲーム専用ではないゲーミングキーボードの世界
自作するほどではないけれど、PCのデスクと色を統一させたい、スペースの関係でちょっと小ぶりなキーボードに変えたいなどのニーズもあるでしょう。こうしたニーズには、完成品として販売されているキーボードがおすすめです。
従来、キーボードを変えるとなると、いわゆる事務用品的なものがほとんどでしたが、ゲーミングPCの普及やテレワーク需要で市販品でも多くの選択肢があります。
ゲーミングキーボードは、文字どおりPCゲーマー向けの製品ですが、「ゲーム専用のキーボード」ではありません。厳密な定義はありませんが、一般的に入力遅延の最小化やキーの耐久性を上げたものを指すことが多く、オフィス業務にも使えます。
少し前までは大型でフルサイズのゲーミングキーボードが多かったものの、最近ではテンキーレス、60%サイズなど自宅でも置き場所に困らないタイプが登場しています。
また、ゲーミングキーボードは光るフィーチャーがあり、虹色のイルミネーションのような光り方だけでなく、PC本体と連動させて光る、暗がりでキーを確認できるようにほんのり光るなど、PCから設定できるものがほとんどです。もちろん、消灯させたり輝度を調整したりすることも可能です。
なかには実際のゲームタイトルとコラボしたゲーミングキーボードも登場しており、ファンにはその独特の佇まいと雰囲気がたまらない一品となっています。
ここまで紹介してきたように、ひと口に「PCキーボード」と言っても多数の選択肢があります。
PC使用時に触れている時間が長いデバイスなので、自分に合うものを作る・使うことで仕事の生産性向上が見込めるアイテムでもあります。
まもなく新年度。この春、キーボードを新調してみてはどうでしょうか。
(文・辻英之)
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