資生堂が、使用済プラスチックの再資源化技術の開発・実用化を推進するアールプラスジャパンに資本参加する。環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を加速。日本のプラスチックリサイクルに関わるバリューチェーンの一員として、使用済みプラスチックの再資源化を進め、サステナブルな社会の実現に向けて貢献する考えだ。
アールプラスジャパンは、米国のバイオ化学ベンチャー企業であるアネロテック社とともに、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を行っている。回収プラスチックの選別処理から、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造までを、商社や飲料・食品メーカーなど業界の垣根を超えて連携し、2027年の実用化を目指す。資生堂のほかには、サントリーや森永乳業、ダスキン、カルビーなどさまざまな企業が参加している。
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ペットボトル以外のプラスチックは、現在国内では多くが燃焼されているという。アールジャパンの使用済みプラスチックの再資源化技術は、ペットボトルを含むそのほか一般のプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクルの技術。従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理でき、CO2排出量やエネルギー必要量の抑制にもつながり、この技術が確立できれば、より多くの使用済みプラスチックを効率的に再生利用することができると期待されている。
資生堂では環境課題への対応として、「地球環境の負荷軽減」「サステナブルな製品の開発」「サステナブルで責任ある調達の推進」の3つの戦略アクションを定め、全バリューチェーンを通じて、さまざまなステークホルダーと協働する。戦略アクションのうち、「サステナブルな製品の開発」においては、サーキュラーエコノミーの考え方のもと、2025年までにプラスチック製の化粧品容器を「リユース可能」「リサイクル可能」「生分解可能」のいずれかで、100%サステナブルな容器包装の実現を目標に掲げる。つめかえ・つけかえが可能な容器の採用、使用済み容器の店頭回収などの取り組みを実施している。
新技術のイメージ
Image by: 資生堂
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