代表取締役社長 小林 一俊氏
Image by: コーセー
コーセーが2021年12月期連結決算を発表した。なお、2021年から決算期を3月末から12月末に変更したことで4~12月の決算となる。売上高が2249億8300万円(前年同期比4.8%増)、営業利益が188億5200万円(同14.1%増)、経常利益が223億7100万円(同17.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期純利益が133億4100万円(同4.4%減)だった。中国、北米の好調や、ハイプレステージブランドが牽引した。
好調な中国と北米と比較して苦しい状況が続いていた日本事業は、初期計画は未達だったものの、緊急事態宣言解除により10月以降は回復基調となり、10月に行なった修正計画を達成。「コスメデコルテ(DECORTÉ )」の人気美容液「モイスチュア リポソーム」を、誕生以来初めてリニューアル発売した「リポソームアドバンストセラム」がヒットしたほか、ハイプレステージメイクの限定コフレなどが貢献。このほか「カルテ HD」のハンドクリームなどが売上を牽引し、ドラッグストアなどのマスチャネルでは、競争激化により厳しい状況にあるものの敏感肌市場においてシェアを拡大した。「アルビオン(ALBION)」や、「アディクション(ADDICTION)」、「ジルスチュアート ビューティ(JILL STUART Beauty)」も売上が拡大。メゾンコーセーを中心としたeコマースも引き続き好調に推移した。これらの結果、売上高は1140億7800万円(調整後前期比0.2%増)となった。
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中国、韓国、台湾を合わせたアジア事業の売上高は743億6100万円(同4.5%増)。中国は6.18セールやW11セールが前年比で大幅に伸び、オフラインの百貨店チャネルが堅調に推移。韓国は2021年1〜6月の商品供給不足を挽回するに至らず苦戦を強いられた。
北米は経済活動再開に伴い「タルト(tarte)」のベースメイク、メイクアップの店頭売上が好調に推移するなどで、売上高は327億2000万円(同23.9%増)となった。ヨーロッパを含むその他の地域では、東欧での展開を拡大したほか、タルトのソーシャルメディアでのマーケティングが功を奏し、売上高は38億2300万円(同14.8%増)を計上。連結売上高に占める欧米亜売上高の割合は49.3%にまで高まった。
2022月期連結業績見込みは、売上高は2930億円(同8.9%増)、営業利益は220億円(同40.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期純利益は165億円(同48.2%増)を予想する。
同社は2022年〜2024年度までを中長期ビジョン「VISION2026」の第2フェーズと捉え、「ビューティパートナーシップカンパニーとして、顧客をはじめ卸先や社員、地域社会、競合他社に至るまでのステークホルダーとともに日本独自の化粧文化を創造し、世界に広めるという企業価値方針『KOSÉ Beauty Partnership』を策定した」と小林一俊社長。2022年度の重点項目には中国・トラベルリテール市場の攻略、ブランド価値向上(パーソナルな顧客体験の追求/独自の価値追求)、アフターコロナを見据えた構造改革と成長戦略、サステナビリティ戦略の推進を挙げた。昨年発表した、花王とのサステナビリティ領域での協働では、化粧品プラスチックボトルの水平リサイクルと、絵具などへの化粧品再生利用の取り組みを開始する。また、2022年秋にはキッザニア東京にパビリオン「ビューティスタジオ(仮)」を出展予定する。
「新たな市場として、性別や年齢にとらわれないお客さまへのアプローチとターゲットを拡大し、ビューティに軸足を置きつつヘルス、ケア領域も包含した価値提供を行う」と語った。
代表取締役社長 小林 一俊氏
Image by: コーセー
取締役経理部長 望月愼一
情報統括部グループマネージャー 進藤広輔
コーセー執行役員兼コーセーコスメポート(株) 取締役 マーケティング本部長 佐々木秀世
情報統括部長 石塚由紀子
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