仏ロレアルが、2021年12月期通期の決算を発表した。売上高が前期比15.3%増の322億8760万ユーロ(約4兆2296億円)、営業利益は同18.2%増の61億6030万ユーロ(約8069億円)、純利益が同20.4%増の49億3850万ユーロ(約6469億円)と増収増益で、すべてのカテゴリーと地域で前年比を上回った。コロナ前の2019年との比較でも売上高は同11.3%増の成長、営業利益は過去最高で、ロレアルのニコラス・ヒエロニムス最高経営責任者は2021年を「歴史的な業績」と振り返った。
事業別では、「ラロッシュポゼ(La Roche-Posay)」や「セラヴィ(CeraVe)」「ヴィシー(Vichy)」などを有するアクティブコスメティックス事業部が、皮膚科学に基づくダーマコスメティックスの需要拡大などを受けて前年比30.3%増の39億2400万ユーロ(約5109億円)と高水準となった。オンライン売上も10億ユーロを超えるほどの好調だった。
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リュクス事業部は同21.3%増の123億4620ユーロ(約1兆6075億円)で、コンシューマープロダクツ事業部を抜いてグループ最大のカテゴリーとなった。「ランコム(LANCÔME)」や「ヘレナ ルビンスタイン(HELENA RUBINSTEIN)」のほか、「キールズ(Kiehl’s)」のレチノール入り美容液など、エイジングケア商品が後押し。また、フレグランスでは「イヴ・サンローラン・ボーテ(Yves Saint Laurent Beauté)」の「リブレ」、「ミュグレー(MUGLER)」の「エイリアン・ゴッデス」や「プラダ(PRADA)」の「ルナ・ロッサ・オーシャン」が人気を牽引した。
コンシューマープロダクツ事業部は「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」のマスカラ「スカイハイ」などが好調だったほか、Netflixのドラマシリーズ「ペーパー・ハウス(La Casa de Papel)」とのコラボが人気を博すなど堅調に推移し、同4.5%増の122億3350万ユーロ(約1兆5928万円)だった。
サロン向けヘアケアなどを擁するプロフェッショナルプロダクツ事業部はアメリカと中国の成長が顕著で、また「ケラスターゼ(KÉRASTASE)」の人気が貢献し、全体で同22.2%増の37億8390万ユーロ(約4926億円)に成長した。
地域別では、ヨーロッパが同10.7%増の101億8480万ユーロ(約1兆3261億円)、北米が同18.1%増の81億5590万ユーロ(約1兆619億円)、北アジアが同18.6%増の98億6330万ユーロ(約1兆2842億円)、SAPMENA-SSA(東南アジア、中東、北アフリカ、サブ-サハラアフリカ)が同10.0%増の23億1200万ユーロ(約3010億円)、ラテンアメリカが同20.6%増の17億7150万ユーロ(約2307億円)で全地域で2桁成長を達成。なお、全体でeコマースも堅調に推移し同25.7%増となり、売上高の28.9%を占める。
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