資生堂のロゴ
Image by: FASHIONSNAP
資生堂が、「SHISEIDO PROFESSIONAL」などヘアサロン向けのヘアケア剤、ヘアカラー剤、パーマ/ストレートパーマ剤およびスタイリング剤商品等を日本とアジアで展開するプロフェッショナル事業(資生堂プロフェッショナル株式会社、以下SPI社)について、ヘアケア、ランドリー&ホームケア商材を展開するドイツのHenkel AG & Co. KGaA(以下、ヘンケル社)に譲渡することを決定した。譲渡対象の全体を包括する事業ブランド「SHISEIDO PROFESSIONAL」について、ヘンケル社に商標権の使用ライセンスを認め、傘下の製品ブランドについてはブランド自体の譲渡とする。事業譲渡に伴う株式譲渡などを含めた譲渡価格は123億円。譲渡契約は2月9日に締結し、株式譲渡の実行は7月1日の予定。
資生堂のヘアケアプロフェッショナル事業は、1974年に業務用品営業部からスタート。さまざまな買収・統合を経て、2004年にSPI社を発足し、ヘアサロン向け業務用を中心としたヘアケア剤、ヘアカラー剤、パーマ/ストレートパーマ剤およびスタイリング剤などを取り扱う。主なブランドは、ヘアケア剤「サブリミック(SUBLIMIC)」やカラー剤「プリミエンス(PRIMIENCE)」、パーマ剤「クリスタライジング(CRYSTALLIZING)」、スタイリング剤「ステージワークス(STAGE WORKS)」、メンズ商材「ザ・グルーミング(THE GROOMING)」など。SPI社の2021年12月期の業績は、売上高が前年比24.4%増の158億6600万円で資生堂グループ全体の1.5%を占める。営業利益は前年比7億9100万円増の7億5700万円だった。
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ヘンケル社は1876年に創業。接着技術事業やランドリー&ホームケア事業およびヘアサロン・コンシューマー向けヘア領域に強みを持つビューティーケア事業をグローバルに展開し、近年は特にヘアサロン向けヘア領域の事業を欧州と米国において強化している。
対象事業のうち、SPI社などへの卸売を含む国内事業、海外子会社などへの卸売などの輸出事業を含むグローバルブランドホルダー機能について、資生堂から吸収分割し、SPI社に承継させる。その後、SPI社の株式の80%をヘンケル社グループのHenkel Nederland B.V.に譲渡する予定。なお、資生堂は事業成長を支援するため20%を引き続き所有する。海外における対象事業は、アジアで事業を展開する資生堂の子会社から、ヘンケル社のグループ会社に対し、各国・地域の法制度を踏まえ株式譲渡または資産譲渡によりそれぞれ承継させる計画だ。なお、対象事業に従事する資生堂の従業員は基本的にSPI社など譲渡先の会社に移籍し、新たなキャリアを目指すことになるという。
資生堂は2023年までの中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」に基づき、スキンビューティ領域をコア事業とする抜本的な経営改革を推進中。今回の譲渡も構造改革に基づくもの。欧米でのヘア領域の事業で豊富な実績を有するヘンケル社グループと、日本・アジアを中心として確立されたブランドを持つ資生堂のプロフェッショナル事業が統合することで、グローバルな展開力のさらなる向上が期待できるという。
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