ファーストリテイリングが展開する「ユニクロ」と「ジーユー」の看板
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素材高や輸送費の高騰、為替の円安傾向などにより物価上昇が加速する中、ファーストリテイリングは一部商品の値上げの検討段階に入った。1月13日の今日行われた2022年8月期第1四半期の決算会見において、岡﨑健 取締役グループ上席執行役員CFOが見解を示した。
為替や原料高等の影響を踏まえ、岡﨑CFOは「極力値上げは避けたいというのが基本スタンスだが、商品によっては値上げをせざるを得ない局面がきていると認識している。何品番か価格を見直しを行っていくが、ただし極めて限定的なものである。商品のお値打ち感が非常に重要だと考えているので、一つ一つ見極めていく。」と話す。価格改定の対象となる商品カテゴリ、アイテム数などの詳細については明言を避けた。値上げのタイミングは下期(2022年3月〜8月)を予定している。
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このほかアパレル業界では、原材料高騰などによる仕入コスト上昇への対応として、しまむらも商品の価格を引き上げる。「春夏商品までは、価格を上げなくても粗利益率を維持できる見通しが立っている」とし、今年の秋冬商品から値上げを実施。「デザインや機能性を上げたうえで値上げするなど、お客様にご納得いただけるように価値と価格のバランスを維持していく」という。
一方、良品計画は、1月7日に行った2022年8月期第1四半期の決算会見において、靴下や下着等の基本商品の価格を据え置く方針を示した。「来期の秋冬以降は、綿の原料高の影響も想定される。ただし、昨今の綿の原料高は投機的なものと考えており、それに合わせて価格を上げ下げするのは避けたく、靴下や下着等の定番商品の価格は維持したい。一方で、定番商品以外では、当社ならではの"わけ"を訴求できるような商品開発も検討している」という。仕入れコスト上昇の影響が広まる中、ファーストリテイリングの今回の方針を受けて、アパレル各社は足並みをそろえるように値上げに踏み切るのか、今後の動向に注目が集まる。
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