伊勢丹新宿店の初売りの様子
Image by: FASHIONSNAP
新型コロナウイルス感染症が広がった昨年の年始より落ち着きを取り戻しつつあるなか、大手百貨店の2022年の初売りが好調だ。そごう・西武は前年比約150%、髙島屋は同約150%、三越伊勢丹は同約130%、大丸松坂屋百貨店は同約140%となり、前年実績を超えた(※いずれも既存店の合計実績。計測期間は初売り開始から三が日)。来店客数も同様に伸長したことを踏まえ、三越伊勢丹の広報担当者は「来店を楽しみ、自粛傾向にあった消費マインドの回復がうかがえた」とコメントした。
元日から営業を開始した西武池袋本店では混雑回避や寒波対応のため、開店時刻を定刻の午前10時から30分前倒しして午前9時30分にオープン。衣料品ではコートやマフラーなどの防寒アイテムや、紳士のワイシャツといったビジネス関連アイテムが売れ筋となり、外出自粛の反動や通勤スタイルの復活など日常生活が戻りつつある様子がうかがえた。初日売上は前年比160%となるなど高い水準で推移し、1月2日、3日も元日と同様に盛況したという。
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1月2日に初売りをスタートした伊勢丹新宿店では開店前に本館とメンズ館合わせて約6500人が列を作った。初日の店頭売上は前年比135%に着地。婦人服はプロパー品(定価で販売する商品)・セール品を問わず売れたほか、気温の低下の影響もあり婦人・紳士ともにアウターが動くなど、衣料品を中心に好調だった。今年はクリアランスセールに加えて、「お楽しみ抽選会」や「ととのう2022 伊勢丹サウナ館」などを開催し、昨年度は控えていた店頭イベント・企画を充実させた。日本橋三越本店でも各カテゴリーで前年を上回るなどにぎわいを見せ、初日売上は前年比140%となった。
大丸東京店も1月2日に初売りを開始。衣料品ではワイシャツや靴下といった紳士雑貨、タオルやトイレタリーなどのリビング用品、ハンカチ・靴下をはじめとする婦人雑貨の福袋に客が集まったという。
各社おしなべて食料品の動きが良く、高島屋では洋菓子などの福袋が午前中でほぼ完売した。昨年は年始の店頭での福袋の販売を見合わせたため、2年ぶりの店頭販売となったことも購買欲をかき立てる要因のひとつになったと見られる。100万円を超えるウイスキーやワインといった高額品の抽選福袋も好調だった。
消費回復の兆しは見られるものの、コロナ前の2020年比ではそごう・西武は約80%、髙島屋と大丸松坂屋百貨店では約70%で着地。伊勢丹新宿店および日本橋三越本店でも前々年比に対しては下回ったという。コロナ前の売上水準に回復するにはまだ時間を要しそうだ。
伊勢丹新宿店の初売りの様子
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