オカモトレイジ
Image by: FASHIONSNAP
ZINE「MISTRUST」
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F:「ミストラスト(MISTRUST)」はどんな雑誌なんでしょうか?
レイジ:カルチャー誌ですね。音楽からファッションまでの幅広いジャンルの中で「今1番イケている」ものを紹介しています。
F:インディペンデントマガジンですが、どのように存在を知ったんですか?
レイジ:前々から気になっていたアーティストやシーンを調べる中で見つけました。極論ですが、この1冊を読むだけで今の最先端に追いつけますよ。
例えば「SPEED(現在はXPEEDに改名)」というイベントチームが開催した「PURE2000」というレイブがあったんですが、俺は気になりつつも遊びに行けなくて。終了後に色々調べてみると、興味深いアーティストたちがこぞってPURE2000に出ていたことを知って「行けばよかった!」とすごい後悔したんですよ。そのイベントに出演したアーティストをミストラストはほとんど網羅しています。
F:レイジさんの今おすすめのアーティストやバンドは?
レイジ:ここでも紹介されている「サイコヘッズ(Psychoheads)」はやばいですね。ロキノン臭を一切感じさせないロックバンドがやっと出てきてくれた、と。
F:サイコヘッズは、「マーティン ローズ(MARTINE ROSE)」2021年春夏コレクションムービーにも出演していましたよね。
レイジ:ある日、マーティン ローズから直接DMが届いたらしいです(笑)。個人的にミストラストは「コロナ以後のかっこいいの絞り汁みたいなものを全部文字にして教えてくれる雑誌」だと思っていましたが、マーティン ローズが彼らのことを見つけたという事実は「ミストラストで紹介されているアーティストやシーンが今1番イケている」ということを証明する出来事だな、と。
F:この雑誌は津田結衣さんと言う方が編集長をされていますが、面識は?
レイジ:ないです。多分「アーティストの発掘」というよりかは、シーンの渦中にいらっしゃる方で「発信しないといけない」と思ったのかな?と考えています。
C.P. COMPANY×Barbour「コラボレーションジャケット」
F:こちらのジャケットは、「シーピー カンパニー(C.P.Company)」の創立50周年を記念して作られたカプセルコレクションのアイテムです。
レイジ:シーピー カンパニーの代表作であるゴーグルジャケット「Mille Jacket」は、創業者マッシモ・オスティ(Massimo Osti)が愛用していた「バブアー(Barbour)」のSolway Jacketが着想源だそうです。
F:シーピー カンパニーを着用したきっかけは?
レイジ:最初はタイアップに参加したことがきっかけでした。その後、展示会に呼んでいただいて伺ったんですが「俺が日々見てきたストリートウェアの独特なディテールはほぼ全てシーピー カンパニーが元ネタだったんだな」と。展示会でお話を聞いていても、とにかく服作りへのこだわりが尋常じゃない。「クタっと感が出せる生地を生産できる織り機がないから、織り機から作る」とか「ガーメントダイ(製品染め)をすると生地がどうしても縮んでしまうので、縮む前提でパターンを引く」とか。服自体が素晴らしいので、20歳くらいの服が好きな後輩たちに「見るだけになると思うけど、見たほうがいい経験になるから」と声をかけて、この間の展示会も一緒にお邪魔しました。
F:このジャケットにもシーピー カンパニーの魅力が凝縮されていると思います。
レイジ:シーピー カンパニーのアイテムで特徴的なのが「何を入れるの?」という独特なサイズ感のポケットだと思うんですが、シーピー カンパニーは「今後世界がディストピア的な状態になった時に着れる服」を目指しているそうなんです。例えばエベレストの山頂ではアイフォンは使えないけど、トランシーバーは使える。この胸ポケットはトランシーバーが入るサイズだそうです。
F:マッシモ・オスティは機能や技術を重んじるエンジニアとしても知られていることもあり、デザインにも意味があるんですね。
レイジ:そうですね。この手首の小窓もレーシングスーツから着想を得ているそうです。腕時計をこの小窓から見ることができるんですよ。
F:オイルジャケット独特の風合いも魅力的ですね。
レイジ:元々はもう少しだけ黒かったかも。オイルが抜けて色が変化しているんだと思いますが、黒い箇所はオイルが残っているので、触ると今も少しだけ手がぬるぬるしますよ。オイルジャケットは、油が水を弾くという性質を生かして元々港町で働く人たちが着用していた服。だから定期的にケアが必要みたいで。扱いは難しいと聞いています。
今年を振り返って
F:レイジさんは主だってインスタグラムで新しいブランドなどの情報収集をしていたんですね。
レイジ:「インスタグラムでフォローする人数を常に1000人以下にする」と自分の中で決めていて。超えそうになったら整理するようにしています。フォローはインプットだと思っているから、自分が必要な情報が埋もれないように人付き合いでインスタを使わないようにしていますね。
F:自分のセンスから大きく外れたものに出会わない、ということですよね。
レイジ:でも「俺は"服好き"ではない」ということは伝えたい。
F:そうなんですか?
レイジ:俺は「トレンドセッター」ではなくて「トレンドキーパー」なんです(笑)。いつ、どのトレンドが来ても打ち返せるようにアイテムの知識をキープしている。そういう意味では、服そのものというより「ファッション」という概念が好きなのかもしれない。
F:ファッションの魅力はどんなところにあると思いますか?
レイジ:コミュニケーションとして速いですよね。例えば、俺は毎朝子供を保育園に必ず送迎しているんですけど、もちろん今みたいな格好では行かないんですよ。髪の毛もニット帽で隠して、指輪もしない。でも「ネイルをしている男の人」という情報だけは伝わるんですよね。そういう情報伝達の速さがファッションにはあるな、と。
F:ファッションとは情報だ、と。
レイジ:そうですね。その情報を受け取ることのできる間口を広げたり、情報をより正確に受け止めるために必要なのが「知識」だと思っています。
例えば、最初の印象として「全然よくないな」と思っても「その人がなんでこれに至ったのか」を知った上だったら納得するし、愛着も湧くと思うんです。オイルジャケットも「雨を弾く」という利点を知らずに着ていたら「ただのベトベトの服」になっちゃうじゃないですか(笑)。ファッションや服に限らず、何か物事を楽しむ上で知識はあった方が豊かになるだろうと思います。
F:たしかに、知識があれば何気ない物事も見え方が大きく変わりますよね。
レイジ:どの業界にもある程度のメソッドはあると思います。それを蓄えておくと生きやすいし、楽しい。みんなそうだと思いますが、人生を豊かにする方が好きだし、賢く生きたいと思っているから。気になる事はなんでもすぐに調べる癖をつけていたいですよね。
■オカモトレイジ(OKAMOTO'S)
1991年生まれ、東京都出身。中学校の同級生で結成された4人組ロックバンドOKAMOTO'Sのドラマー。2010年にCDデビューを果たし、海外公演等も積極的に実施。幅広い音楽的素養を生かし、DJとしても活動中。さらにファッションモデルとしての活動やMVのプロデュース、また、自身でエキシビジョンを手掛けるなど、クロスジャンルな活躍で現代のカルチャーシーンを牽引している。2021年9月に9枚目のオリジナルアルバム「KNO WHERE」をリリースした。
公式インスタグラム/公式ツイッター
■OKAMOTO'S
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