多面的な物語とトリックの詰まった、クチアの世界
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ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、クレイグ・クチアの日本初個展「act(ive)enclosure」が、MAKI Galleryにて開催。2021年11月20日(土)〜12月22日(水)まで。
クレイグ・クチアは、自身の生い立ちと 厳格な美術訓練を統合した、独自の芸術実践で知られるアーティスト。本展では、新シリーズの小品を含む新作15点を展示する。展示される室内画および風景画は、さまざまな錯視を用いて鑑賞者に錯覚をもたらす。例えば、「making the moon」は、閉ざされた窓を通ってケーブルからぶら下がる、明るく灯った電球が少しいびつな月の模型の上に置かれている。窓は月の模型の上に乗っているようにも見え、この論理的に不可能な構成はキャンバス自体の平坦さに注意を向けるよう促す。「1975」では、ピンクの葉で満たされた金魚鉢の中に魚が描かれている。自由に泳げるスペースが制限されると同時に密封され保護的なその空間は、家の中で生活しながら外ばかりを見つめ続け、新しい習慣に囚われた前年を私たちに思い出させる。
クチアの私的な経験からインスピレーションを得ている神秘的な室内画は、ランダムに見える日用品をシュールな構造で演出している。個人的および社会的な象徴性を作品に組み込むことで、作家は比喩に富んだ複雑な視覚言語を生み出すのだ。また、典型的な図像と技術的なトリックを用いたクチアの示唆に富むそれぞれの絵画には、単一にとどまらず多面的な物語が組み込まれている。クチアにとって日本初となる本個展、各作品の背後にある深意を探求しながらも、「錯覚」の世界にどっぷりと浸かってみては?
■画像クレジット
1.Craig Kucia, absent landscape, 2021, Oil on canvas, 121.9 x 121.9 cm
2.Craig Kucia, making the moon, 2021, Oil on canvas, 147.3 x 132.1 cm
3.Craig Kucia, 1975, 2021, Oil on canvas, 96.5 x 116.8 cm
■概要
クレイグ・クチア「act(ive) enclosure」
開催期間:2021年11月20日(土)〜12月22日(水)
時間:11:30-19:00
定休日:日曜・月曜
入場料:無料
場所:MAKI Gallery
>>EDITOR’S VOICE
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※敬称略
Text:miwo tsuji
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