松屋銀座のスーツケース売り場
Image by: 松屋銀座
新型コロナウイルスの感染が国内で減少したことに伴う行動制限の緩和を受けて、大手百貨店の11月度の売り上げが各社で伸長した。衣料品の消費回復が見られたほか、ビジネス出張や行楽需要復活を背景に、スーツケースの売り上げも大幅に増えたという。
スーツケースの売り上げは、松屋銀座で前年同月から約2倍となったほか、西武池袋本店で80%増、伊勢丹新宿本店で50%強増、大丸東京店で40%増、高島屋グループ店鋪で前年比16%増(旅行用品)と高い水準で推移。多くの店鋪で、ビジネスでの出張ニーズ回復から機内にも持ち込み可能な小型サイズや、年末年始の帰省や行楽需要の高まりを背景に国内旅行ニーズが増加したことから3泊程度に対応したサイズ(30~40L)の動きが良かったという。小型サイズに関しては会社から資料やPCを持ち帰る用途での購入も目立った。
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松屋銀座では買い物やジム、習い事など荷物の多い時に好まれるショッピングカートのようなデザインのカジュアルトロリーも売れ筋となっており、ファッション感度の高い40~50代の女性を中心に普段遣いの需要が伸びているという。同社の広報担当者は「昨年が厳しすぎたこともありますが、緊急事態宣言が明け、人の動きが戻ってきたことは間違いありません」とコメント。一方で、銀座エリアの客層の特性から「年明けに再開が想定されている『Gotoトラベル』に向けて下見にいらっしゃる方は見られるが、年内の旅行という需要はまだ少ない」とも分析している。
衣料品では婦人服を中心に売上が増加し、そごう・西武で約10%増、大丸松坂屋百貨店で16.8%増、高島屋で13.0%増となった。気温の低下により重衣料の実需購買が売上を底上げし、伊勢丹新宿店では婦人のブルゾンが約2倍、コートが1.5倍で推移し、そごう・西武では行事関連需要が拡大してフォーマルが前年約50%と伸長したという。
最大のかき入れ時となる年末年始商戦の本番を控え、小売業界ではいわゆる“リベンジ消費”への期待が増すなか、新たな変異ウイルス「オミクロン型」の感染が日本でも確認され、警戒感が強まっている。大手百貨店5社は引き続き国内での感染状況を注視しながら、入店時の手指消毒やサーモグラフィーによる検温、マスク着用の呼びかけ、整列時のソーシャルディスタンスの確保といった感染拡大防止策を継続し、安全・安心の取り組みに努めていくという。福袋の販売ではECでの事前予約・販売に対応し、松屋でも今年から導入している。
松屋銀座のスーツケース売り場
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