「アイム グリーン」のページより
三越伊勢丹ホールディングスが、サステナビリティの取り組みに関する説明会を開催した。同社はサステナビリティを重視した経営へのシフトを進めており、グループ会社の三越伊勢丹が展開する不用品の買取・引取サービス「アイム グリーン(i’m green)」では単月黒字化の目処が立ったという。同社は事業と社会課題解決の両立を実現することで、小売業界のサステナビリティにおけるトップランナーを目指す。
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アイム グリーンは「4R(=リフューズ、リデュース、リユース、リサイクル)」を推進する取り組みとして、バリュエンスジャパンとの協業により立ち上がった。昨年10月に日本橋三越本店の新館7階にアイム グリーンの検証店舗をオープンし、1年で約2000件の利用実績を記録。今年10月には伊勢丹新宿店本館7階に常設店舗を開設した。直営による常設の買取および引取サービスは百貨店初となる。
店頭に持ち込まれる商品は三越伊勢丹店舗で購入したものが大半を占める。実際に利用者から「購入した店舗でまた還流してほしい」という声が届いたという。百貨店ならではの信用力が生きたことや、サービス利用客のうち外商顧客が4分の1を占めることなどを背景に、リピート率は30%に達した。買い取った商品は提携している業者と中心に取引しているが、顧客と信頼関係を構築できている三越伊勢丹が買い取りの入り口を担うことで4Rを推進したい考え。
その他のサステナビリティ活動として、2030年に温室効果ガス削減比率を2013年度比で50%減に、また再生エネルギー化率を自社物件で100%、賃借物件を含めた全体の物件で60%の導入実現を目指す。いずれも2020年時点で定めた目標数値を引き上げるかたちとなった。西山茂 執行役常務 CFO兼CRO兼CAOによると、現状の再生エネルギー化率は「ほぼゼロ」だが、来年1月から伊勢丹浦和店を皮切りに導入を順次進めていく。賃借物件についてもオーナーによって温度差はあるとしながら、導入を働きかけていくという。
従業員満足度向上の取り組みでは、現在の女性管理職比率30.8%を2030年に38%に引き上げる。近年昇進する社員の多くが女性であることから、細谷敏幸 取締役代表執行役社長CEOは比率改善について現実的と見ている。
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