絵画は、終わらせるものではなく「どこかで止めるもの」
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(2021/11/09)
セシリー・ブラウンの日本初個展「The end is a new start (終わりは新しい始まり)」がBLUM & POEにて開催中。 2021年10月22日(金)〜2022年1月15日(土)まで。
セシリー・ブラウンは、抽象と具象が入り混じった身振りを伴った大きなスケールの絵画作品で知られるロンドン生まれの作家。その作品が参照とするモチーフは、古典、近代の絵画からポップミュージックのアルバムカバーまで多岐に渡り「セクシャリティ」や「欲望」についての批判をたたえた、あくなき問いを続けてきた。12点の新作が一堂に会する本展では、作家が近年探求してきた「難破船」という歴史的表象についての考察、そして30年にもわたるキャリアの中で生まれてきた自身の作品を土台とした新しい探究という二つのテーマに取り組む。
ブラウンにとって、絵画は終わらせるものというよりむしろ「どこかで止めるもの」だという。この無限の潜在的可能性や、いわば多元性を持つ宇宙としての絵画についての態度は、まさにブラウンが近年その新しい手法とともに探ってきたものであると言えるだろう。
キュレーターのクレア・ギルマンは「ブラウンの手法は、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズが語ってきた意味での<反復>という概念と深く関係している。ここで言う反復とは、無機質な拡散や独創性のない模写の身振りではない。一瞬にして生まれることのない、むしろ、繰り返される瞬間の中で生まれる、創造的で超越的な行為の身振りをブラウンは訴えているのだ。」と述べている。「完成」という概念に囚われない、臨機応変な彼女の制作姿勢は、潜在的に多様な成果をはらんでいるということだ。
新しく生まれるものと終わり行くものが混在し、歴史と文化を積み重ねてきた原宿エリア。絶え間なく代謝し続ける街の中で、セシリー・ブラウンの作品はどんな情景を浮かび上がらせるのだろうか。
■概要
セシリー・ブラウン個展「The end is a new start (終わりは新しい始まり)」
開催日:2021年10月22日(金)〜2022年1月15日(土)
時間:12:00〜16:00 ※営業短縮・予約制。ウォークインでのご案内も可能
場所:BLUM & POE
>>EDITOR’S VOICE
BLUM & POEから徒歩約2分の場所にあるWITH HARAJUKUでは、2021年12月12日(日)より「BANKSY展 GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)」が開催予定。大阪、名古屋、福岡を巡回し、いよいよ東京に上陸ということで楽しみにしている人も多いはず。開催前にもWITH HARAJUKUのB1階と3階に2箇所のフォトスポットが設置されているので、待ちきれない人はぜひ行ってみて!
※敬称略
Text:miwo tsuji
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