秋の夜長に読書のススメ。表参道・原宿エリアのカフェ、レストラン、セレクトショップ、お花屋さんに街の書店などで働く人たちにおすすめの1冊を聞きました。愛読書とともに、個性溢れるお店と人、その魅力にフォーカスします。
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今回おすすめしてくれたのは、MUSHROOM TOKYO表参道本店 シェフ・桜井順一さん
桜井順一(さくらいじゅんいち)/秋田県出身。2014年、MUSHROOM TOKYOの立ち上げから参加。取締役として経営面に携わるだけでなく、現在はメインシェフとして自ら厨房に立ち表参道店と姫路店を統括する。マッシュルームの多様性と美味しさを日々探求し、発信し続けている。飲食の現場で腕を振るう一方、アート作品を制作し作家活動も行う。
桜井さんおすすめの1冊は?
『素手時然(そしゅじねん)』/良品計画(企画)・平凡社(発売)
「この本に載っている言葉と写真から、料理に活きるインスピレーションをもらってますね。
確か本が出たのは2015年。無印良品を運営している良品計画が、無印良品の35周年を記念して平凡社から出版した書籍です。無印良品の売り場で見かけて、速攻で買いました。
無印良品がこれからの時代を生きるための、暮らしを提案するコンセプトブックなんですが、偉そうなことは書いてないんです。たくさんの作家作品や噺家さんの一席から選び抜かれた言葉と、写真や図で構成されていて、連綿と続いてきた日本の暮らしの中にある、小さな気づきみたいなものが丁寧に編まれています。
コロナで時代は変わっても、暮らしの中にある変わらないもの、その様式美が言葉と写真によって表現され、凝縮されています。食やもの作り、それぞれの事柄にまつわる、いいバイブスを総称して無印良品が造った言葉が『素手時然』ということなんでしょうね。読んでいると感性にブーストをかけてくれる1冊です。
お気に入りのページ?古今亭志ん生さんの『なめくじ長屋』の一節が書かれているページかな。原宿界隈で小さなお店をやっているコミュニティの精神に通じるものがあるから。」
■最新のMUSHROOM TOKYO表参道本店 情報
ディナーはマッシュルームの美味しさを余すことなく味わう、多様なコースをご用意。桜井さんにおすすめを聞いた。「おすすめはヴィーガンコース(5,500円/1名)。肉・魚・乳製品を全く使わないヴィーガン料理を全8品提供しています。ランチでも好評の『ひらひらマッシュルーム』に、大磯にある農家・近藤さんの旬のいちじくを使った『無花果の赤ワイン煮とベイクドマッシュルーム』、メインは『ジャンボマッシュルームのカツ』。〆の『マッシュルームパスタ』やデザートも付いて満足いただける内容になっています。11月末までの期間限定なのでお早めに。」
MUSHROOM TOKYO 表参道本店
「NO MUSHROOM,NO LIFE」を掲げるマッシュルーム専門店。マッシュルームを生で食べられることを知らない人も多いため、その美味しさや様々な食べ方、魅力を知ってもらうために2014年にオープン。マッシュルームは契約の農家から国産無農薬のものを厳選して使用しているので、生でも安心して食べられる。魅力的な料理の数々はもちろん、陽気なシェフたちとスタッフが、店内を舞台に繰り広げるノリのいい会話もお店の醍醐味。
Text:Tomohisa Mochizukl
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