アリオ川口店のイメージパース
Image by: バロックジャパンリミテッド
「マウジー(MOUSSY)」などを展開するバロックジャパンリミテッド(以下、バロック)が、新業態となるフード事業「シェルターデリ(SHEL’TTER DELI)」と、観葉植物を扱うグリーン事業「シェルターグリーン(SHEL'TTER GREEN)」を立ち上げた。1号店は両事業の複合店として展開し、10月1日にアリオ川口にオープンする。
同社はアパレル一本でビジネスを拡大させてきたが、新型コロナウイルス感染拡大により生活様式が変化し、健康志向やナチュラル素材への意識の高まりとアパレル市場の縮小を踏まえ、衣食住の「食」と「住」に進出。バロック創業時から在籍し、中国事業などを手掛ける小池惠一郎氏が発起人となり、新事業を立ち上げたという。
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シェルターデリでは、デリカフーズホールディングスが運営する「青果日和」と協業し、チョップドサラダや惣菜を提供。都内の有名フレンチレストランでシェフの経験を積んだスタッフを中心にメニューを開発し、栄養バランスを重視したほか、ノンフライで低カロリーに抑え、また防腐剤フリーで安心して食べられることを徹底したという。1号店ではサラダ4種、惣菜10種をラインナップし、Sサイズ(200g、390円)とMサイズ(400g、590円)の2サイズを用意。幅広い年代にとって食べやすい量と、気軽に手に取れる価格帯を意識した。テイクアウトのほか、16席のイートインスペースを配置する。
海外から直接仕入れた観葉植物や鉢を取り扱うシェルターグリーンでは、店頭での販売事業、個人邸のエクステリアや植栽を手掛けるガーデニング事業、オフィスや施設などの緑化を定期的にサポートするレンタル事業の3つを軸に展開。店頭では外部の家具メーカーと手を組んで家具も取り扱い、トータルコーディネートを提案する。
観葉植物は卓上サイズから大型まで幅広い品揃えで、独自のルートで卸売市場を挟まず直接仕入れを行っている。最大の特長として、観葉植物には廃棄予定の服から作ったポリエステル繊維媒地を採用。ポリエステル繊維媒地は近畿大学とアースコンシャスが研究開発した技術で、養分がないため虫がつきづらく、肥料コントロールをしやすいのが特長だという。バロックは、スタイレム瀧定大阪が同技術の活用を目的に立ち上げた「プラスグリーンプロジェクト」を利用し、アウトレットで売れ残った衣料品を燃やすのではなく、ポリエステル繊維媒地としてリサイクルすることでCSR活動につなげる。レンタル事業ではポリエステル繊維媒地の導入が済んでいるが、物販で扱う商品に関しては準備が整い次第、順次切り替えていく。
アリオ川口にオープンする1号店には、アパレルブランドの店舗で店長を経験したスタッフが集まった。「アパレル販売員は年齢を重ねた先のキャリア形成が難しい。一方で、食や住の領域は年齢問わず活躍できる。実際に今回は、全国からスタッフが手を挙げて立ち上げに参加してくれた。新事業はアパレル販売員の販売力を活かせる新しいキャリアの選択肢として提案していきたい」(小池氏)。ヴィジュアルにはアーティストRYOONOの作品を用い、内装デザインやスタッフユニフォームにも採用した。
デリとグリーンの事業はともに、アパレル事業と同規模の売上を目指す方針。出店戦略については1号店の反響を見ながら、複合店のほかに単独店の展開を見据え、出店先のロケーションにあわせてメニューやラインナップを変えていく。「(既存の)チョップドサラダ専門店は都心にしか店舗がない」という視点から、デリは準都心や郊外のショッピングセンターや駅近辺などへの出店を構想し、チョップドサラダを全国的に広めていきたい考えだ。グリーンも準都心や郊外への出店を予定。観葉植物専門店の全国展開は品質管理などの面で難しいとされるが、バロックはそこに挑戦するという。異業種とのコラボ店舗にも前向きな姿勢で、Green&Deli事業の大木啓史副事業部長は「緊急事態宣言が解除されるが、コロナ前の消費には戻らないと思っている。その中で、新事業を通じて業界の枠を超えて小売産業を盛り上げたい」と話した。両事業はいずれも自社ECサイトでの展開も予定している。
■SHEL’TTER DELI:公式サイト
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