■ワシントン州シアトル市にある屋内競技場のクレイメット・プレッジ・アリーナ(Climate Pledge Arena)は22日、同施設の売店にアマゾンのレジなし技術「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」を導入することを発表した。
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クライメット・プレッジ・アリーナではコンサートやライブ・イベントの入場でもアマゾンの非接触の生体認証「アマゾン・ワン(Amazon One)」を利用する。
キャッシャーフリーもしくはキャッシャーレスとも呼ばれるジャスト・ウォークアウトは、人工知能(AI)やコンピューターヴィジョンを駆使することで、レジでの精算なしで食品を買うことができる革新的なシステム。
お客はサンドイッチやスナック、飲料品などの商品を手にとって出ていくだけで、代金は自動的に口座に請求される仕組み。レジ不要でレジ待ちの時間がなくなり、ストレスフリーで買い物ができる。
同技術を導入した店舗ではコンタクトフリーで買い物ができ、コロナ禍で人との接触機会を減らす対策としても注目されている。
ジャスト・ウォークアウトシステムによりお客が商品棚や冷蔵庫から商品を取ると人工知能(AI)がリアルタイムで買い物行動が認識する。手にとった商品は自動的にお客の「ヴァーチャル・カート」に入ることになるのだ。
お客が商品を棚などに戻した場合、カートから商品が削除される。お客が店をでると持ち出した商品の代金が利用者のアマゾン・アカウントやクレジットカードに自動的に課金されるのだ。
一方のアマゾン・ワンは手のひらをデバイスにかざすことで決済を終えるというもの。
アマゾンは昨年10月、レジなしコンビニエンスストア「アマゾンゴー(Amazon Go)」にアマゾン・ワンを導入、アプリのQRコードをスキャンする代りに入場ゲートで手のひらをかざして入店できるようにしている。
シアトル郊外に今年6月オープンしたアマゾンの食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」ではフルサービスのレジの他、ジャスト・ウォークアウトに手のひら入場のアマゾン・ワン、そしてクレジットカードでのレジなし決済も導入している。
最大収容人数が1.8万人となるクレイメット・プレッジ・アリーナでは4ヶ所ある売店がQRコードもしくはクレジットカード入店のジャスト・ウォークアウトにアマゾン・ワンの手のひら入店となる。
またコロラド州デンバーにある「レッドロック野外劇場(Red Rocks Amphitheatre)」と同様、クライメット・プレッジ・アリーナでもチケットの代りに手のひらで入場できるようになる。
手のひらを事前にデジタルチケットと紐付けておくことで、クライメット・プレッジ・アリーナに入るときスマートフォンや紙のチケットを取り出すことなく、端末に手のひらをかざすだけで身元認証ができることになるのだ。
ここのところジャスト・ウォーク・アウト技術を導入した店舗は各地に続々とオープンしている。
ニューヨーク・マンハッタンにあるコンベンションセンター「ジェイコブ・ジャヴィッツ・コンベンション・センター(Jacob K. Javits Convention Center)」にある約20坪の売店に先月、ジャスト・ウォークアウトを導入した。
ネバダ州ラスベガスにある大型カジノホテル「リゾートワールド・ラスベガス(Resort World Las Vegas)」内に7月末、無人決済売店の「フレッドシーガル・マーケット(Fred Segal Market)」が開店。
6月にはイリノイ州シカゴにあるシカゴ・ミッドウェー国際空港内でジャスト・ウォーク・アウトを利用した「ハドソン・ノンストップ(Hudson Nonstop)」がオープン。
2月にはレジなしのハドソン・ノンストップがダラス・ラブフィールド空港にもオープンしている。
ニューアーク・リバティ空港には、ジャスト・ウォークアウトを導入したコンビニエンスストア「CIBOエクスプレス」がすでに2ヶ所ある。
シカゴ・オヘア国際空港内にある売店にもジャスト・ウォークアウトを近々導入すると報じられている。
アマゾンの無人決済技術はマサチューセッツ州ボストンにあるアリーナ「TDガーデン(TD Garden)」の売店に導入されている。
またニューヨーク市ブルックリンにある多目的ホール「バークレイズ・センター(Barclays Center)」の「アメリカン・エキスプレス・ショップ」もジャスト・ウォークアウト仕様となっている。
ロサンゼルス郊外にオープン予定のアマゾン・フレッシュもジャスト・ウォークアウトとアマゾン・ワンを導入したハイブリッド店となる。
クライメット・プレッジ・アリーナでは11月、イーグルスのライブコンサート「ホテル・カリフォルニア2021年ツアー」を控えている。
12弦ギターのイントロが聞こえたら、スピリット(お酒)を受け取り、チェックアウトもせず、そこを離れることも可能となるのだ。
トップ画像:クライメット・プレッジ・アリーナでは来月、ジャスト・ウォークアウト仕様の売店がオープンする。接客販売となるビールなどのアルコール飲料もIDを見せるだけで購入できるのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。レジなしコンビニエンスストアのアマゾン・ゴーのホームページが先週、刷新されました。アップデート後は既存店のロケーション確認が難しくなりました。それでもホームページの地図横にある検索窓にサンフランシスコやシカゴ、ニューヨーク、シアトルの地名を入力すると各地にあるアマゾン・ゴーがでてきます。検索してわかったことは22店舗あったアマゾン・ゴーは1店舗を閉鎖し、21店舗にまた店舗数を縮小したことです。アマゾン・ゴーはパンデミック中の昨年に1店舗増やし26店舗となりました。で、新型コロナウイルス感染拡大で26店舗のすべてが休業に追い込まれたのです。でも徐々にオープンしていきましたが、今年に入ってから4店舗をスクラップしたのです。シカゴでは2店舗を閉鎖し5店舗となり、ニューヨークでは1ヶ所減らし7店舗展開、サンフランシスコも1店舗を閉じて4店舗、シアトルは横ばいの6店舗で22店舗でした。
⇒昨年3月の非常事態宣言発令から1年以上にもわたって、ニューヨーク市のロックフェラーセンター店とシアトル市内のメイシーズ・ビル店は臨時休業を続けていました。それに加えて6月初めにはサンフランシスコのフィナンシャル・ディストリクトにあるアマゾンゴー・エンバーカデロ店とシアトル市内のオフィスビル「マディソンセンター(Madison Centre)」の1階にあるアマゾンゴー2号店が臨時休業。さらにニューヨーク・マンハッタンにあるレキシントン・アベニューのアマゾン・ゴーも臨時休業となりました。で、ニューヨーク市内のブルックフィールド・プレイス店も臨時休業。7月にはシカゴ市内オギルビー・トランスポーテーション・センター (Ogilvie Transportation Center)のアマゾン・ゴーが臨時休業です。で先週、1年以上も休業を続けていたシアトル市内のメイシーズ・ビル店が閉鎖です。22店から21店になってもシアトルのアマゾンゴー2号店、シカゴのオギルビー店、NYのロックフェラーセンター店の3店がまだ休業中です。アマゾン・ゴーは徐々に店舗を減らしています。
アマゾン・ゴーの店舗数が減っている一方でレジなし決済システムはアリーナ、空港、コンベンションセンターに拡大しているのです。次はホテル・カリフォルニアかな。
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