サージカルブラジャー
Image by: ワコール
ワコールと公益財団法人がん研究会 有明病院(以下、がん研有明病院)が、乳房再建手術において共同研究を開始したと発表した。がん研有明病院での乳房再建手術に、ワコールのブラジャーの開発技術と「3D smart & try」による3D計測サービスを掛け合わせ、乳がん罹患者の術後の暮らしにおける満足度の向上を目指す。
乳房再建手術は、乳がんを罹患し、術後に乳房を失った人が乳房を取り戻すための選択肢として用意されているが、実際に手術を受けた人の数は全乳房切除術症例の2割に満たないという。がん研有明病院とワコールは乳房再建手術を選択しやすい環境を実現するため、昨年1月に契約を締結。現在はサージカル(手術用メジャメント)ブラジャーの開発と、3Dプリント技術を活用した人間の身体の部分再現に取り組んでいる。
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サージカルブラジャーは、術後に日常生活に戻った乳がん罹患者の「ブラジャーのサイズが合わない」「ブラジャーのワイヤーが胸にあたって痛い」といった悩みに応えるもので、「3D smart & try」による3D計測サービスとサイズオーダーブラジャー製造の技術を活用している。
腹部・太ももから「自家組織」を移植する再建手術では、再建する側の乳房の大きさと形状を目視で確認・判断していたが、サージカルブラジャーを用いることで、ブラジャー着用に適した乳房の大きさや形状を執刀チームが可視化できるようになり、満足度の高い乳房再建が可能になるという。今後は検証と改良を経て、がん研有明病院だけではなく他病院への提供を視野に入れ、技術の普遍化を進める。
人間の身体の部分再現の事例では、がん研有明病院の医療技術とワコールの3D計測サービスに、リコーグループの3Dプリント技術を掛け合わせ、乳房の柔らかさを再現した「3Dプリントバスト」がある。これらの技術を活用することで、乳房再建手術を含む医療現場における様々な課題に対応できるとし、今後の可能性について検討を進める方針だ。
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