オンリーの公式サイトより
紳士服のオンリーが、マネジメント・バイアウト(MBO)で株式の非公開化を目指すと8月18日に発表した。同社取締役相談役の中西浩一氏と長男の浩之氏が今年7月に新設した紳士服中西が、普通株式1株を765円で買い付ける。買付予定数は483万2418株(下限327万1160株、上限設定なし)で、買付期間は8月19日から10月1日まで。TOB成立後、オンリーは上場廃止となる。
オンリーは、創業者の中西浩一氏がオーダースーツ専門店「紳士服中西」を開業後、1976年6月に法人化。スーツブランド「オンリー(ONLY)」などを運営している。2005年7月に大阪証券取引所ヘラクレス(現ジャスダック)へ上場し、2015年5月に東京証券取引所市場第2部、2016年8月には同市場第1部に市場変更した。
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近年のスーツ需要の減少に加えて、長期化する新型コロナウイルス感染拡大の影響などを理由に、オンリーの業績は大きく落ち込んでいる。同日には2021年8月期通期連結業績予想を、売上高で前回予想から3億円引き下げ、47億円に下方修正した。前回予想では1000万円の黒字と発表していた営業損益は2億2000万円の赤字に転落する見通し。
同社は中長期的な経営戦略として、事業環境の変化に対応した衣料品関連事業の強化に加え、不動産投資の拡大、飲食事業といった新規分野進出およびデジタルトランスフォーメーションへの投資の検討などを進めていく方針。これらの施策が短期的に財務状況や業績の悪化をもたらすリスクがあるとして、株式の非公開化を決めたという。なお、中西浩一氏は株式の非公開化以降もオンリーの経営を継続する。
■オンリー 2021年8月期通期業績予想(今回修正予想)
売上高:47億円(前期は53億4800万円)
営業損失:2億2000万円(前期は営業利益3000万円)
当期純損失:2000万円(前期は純利益1億100万円)
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