「rito structure」2022年春夏コレクション
Image by: rito structure
デザイナー嶋川美也子が手掛ける「リト(Rito)」が、2022年春夏シーズンにリブランディングする。リブランディングに伴い、ブランド名を「リト ストラクチャー(rito structure)」に変更した。
リトは、繊維商社スタイレムで16年間テキスタイルデザイン事業に携わった嶋川が、2016年秋冬シーズンにスタートしたブランド。海外のメゾンブランド向けのテキスタイル企画の経験を活かしたオリジナル生地開発を武器に、上質な素材や独創的なフォルムを落とし込んだコレクションを提案している。2019年には「Rakuten Fashion Week TOKYO」に初参加し、インスタレーション形式のショーを開催した。販路は自社ECと国内外の卸先で、海外ではパリのサマリテーヌ(La Samaritaine)やロンドンのセルフリッジズ(SELFRIDGES)、韓国のディエチ コルソ コモ(10 corso como)やロッテ百貨店など平均15~20店舗で取り扱いがあるという。
ADVERTISING
リト ストラクチャーでは、プロダクトデザインやモノ作りなどに関心がある人に向けて、新たなライフスタイルをつくりだすアーキテクトのような存在を目指す。今回のリブランディングについて、嶋川は「デビューから6年目を迎えるにあたり、ブランドの世界観を広げていきたいと思った。グローバル展開の強化と、テキスタイルメーカーとしてサスティナビリティよりもさらに根本的な"循環型ファッション"の取り組み強化を見据え、リブランディングを決めた」と経緯を説明。これまでウィメンズのみだったが、メンズ、ユニセックスのアイテムも製作する。リトのアイテムを購入する男性客が一定数いたことや、メンズアイテムの発売を望む声があったことから、コレクション全体でジェンダーレスに着られるデザインを意識したという。
2022年春夏コレクションは「Fundamental Neutral」をテーマに掲げ、ウィメンズを中心に、メンズ、ユニセックスを含む約50型を製作。男女ともに心地よく、ソフトな機能性や優美な感覚を表現した。リトのミニマルかつ機能的な要素に、「たたむ・繋ぐ・はめ込む」といったプロダクト的なキーワードを掛け合わせ、リブランディング前よりも構築的なデザインを追求。ブランドにとって初のメンズアイテムの製作過程においては、メンズウェアの流行はあまり意識せず、建築やプロダクトデザインの書籍、印象に残った言葉などをインスピレーション源にデザインを行ったという。また、同ブランドを運営するスタイレム瀧定大阪が従来廃棄される繊維をリサイクルし、植物が育つ培地として再利用する「プラスグリーンプロジェクト」を推進していることから、循環型ファッションを意識したモノづくりをコレクションにも反映。リブランディング前と同様にサステナブルな素材を取り入れたほか、できるだけ長くアイテムを愛用してもらえるよう着回しがしやすいデザインを意識した。コレクションの60〜70%に再生繊維や再生ポリエステルをはじめとする環境に配慮した素材を用いたという。
コレクションは、取り外しが可能な格子柄のレースをはめ込んだシャツをはじめ、畳んだ時の美しさを追求したミニマルなシャツ、紐や釦ホールによって過去のアイテムとドッキングさせることができるシリーズ、キュプラ混のタフタで作ったポケッタブルブルゾン、サステナブルな原料であるリネンを用いたオーバージャケット、超極薄の中綿を入れたシャツジャケット、環境に配慮したカポックを中綿に用いたクッションバッグといったアイテムが揃う。カラーパレットには、ホワイトやアイボリー、ベージュ、クロムオレンジ、スティールブルーなどを取り入れた。
今後の展開として、メンズとユニセックスの型数は順次拡大していく予定。海外では特に韓国の卸先との取引が多いことから、今後はアジア市場を重点的に強化していく計画だ。また、国内外の卸先の拡大を図るほか、プラスグリーンプロジェクトと連動したポップアップやイベントといった顧客とのコミュニケーションの機会を増やしていくという。
「rito structure」2022年春夏コレクション
Image by: rito structure
ADVERTISING
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境