■ネット通販最大手のアマゾンは22日、ワシントンDCに15店舗目となる「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」をオープンした。
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アマゾンが開発したアマゾン・フレッシュはアマゾン傘下のホールフーズ・マーケットとは別事業のコンベンショナル食品スーパー。
ホールフーズが扱わない一般的な食品を扱い、ハイテクショッピングカートで利便性を向上しながらボピスなどのオムニチャネルに対応する。
4月にオープンしたバージニア州フランコニアに続いて東海岸で2店舗目となるアマゾン・フレッシュはレジなし決済技術「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」を導入した小型スーパー。
キャッシャーフリーもしくはキャッシャーレスとも呼ばれるジャスト・ウォークアウトは、人工知能(AI)やコンピューターヴィジョンを駆使することで、レジでの精算なしで食品を買うことができる革新的なシステム。
お客は青果品など商品を手にとって出ていくだけで、代金は自動的に口座に請求される仕組み。レジ不要でレジ待ちの時間がなくなり、ストレスフリーで買い物ができる。
ワシントン州でシアトル郊外ベルビュー地区に先月オープンしたハイブリッド型で25,000平方フィート(約700坪)のアマゾン・フレッシュ・ファクトリア店とは異なりフルサービスのレジがなく、スマートカートの「アマゾン・ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」もないレジなしアマゾン・フレッシュとなる。
ワシントンDCのローガンサークルにオープンしたアマゾン・フレッシュ(1733 14th St NW, Washington, D.C., DC 20009)は7,302平方フィート(約200坪)と、800坪前後となる他のアマゾン・フレッシュと比べて極めて狭いのも特徴的だ。
シアトル市内にあるアパート一階部分に昨年オープンした10,400平方フィート(約300坪)の「アマゾンゴー・グローサリー(Amazon Go Grocery)」1号店やシアトル郊外レドモンド地区にあった7,350平方フィート(約210坪)のアマゾンゴー・グローサリー2号店(5月に閉鎖)とほぼ同じでとなるのだ。
つまりアマゾン・フレッシュとしては最も小さいアマゾン・フレッシュ・ローガンサークル店は、イギリスで展開するアマゾン・フレッシュ5店舗と規模は大きいものの、決済が全く同じとなるのだ。
アマゾン・フレッシュは現在、カリフォルニア州でロサンゼルス郊外に8店舗、イリノイ州シカゴ郊外に4店、バージニア州フランコニアに1店、そしてワシントン州ベルビューに1店とワシントンDCの最新店を含めて15店舗展開となっている。
アマゾン・フレッシュは13店舗目までコンベンショナルなフルサービス・レジにダッシュカートを提供した決済だ。
14店舗目のハイブリッド型はダッシュカートはないものの、フルサービス・レジにジャスト・ウォークアウトで会計が行えるようになっている。
また生体認証デバイス「アマゾン・ワン(Amazon One)」も導入されており、事前にクレジットカードと手のひらを登録しておくことで、入店用QRコードの代わりに手のひらで入店できるようになっている。フルサービスのレジでも手のひら認証で決済は可能だ。
一方、ワシントンDCの小型アマゾン・フレッシュはダッシュカートもフルサービス・レジもなく、ジャスト・ウォークアウトのみだ。
アマゾン・フレッシュ・ファクトリア店のジャスト・ウォークアウトは入店時と退店時の2回、QRコードもしくは手のひらをスキャンしなければならない。
アマゾン・フレッシュ・ローガンサークル店(アマゾン・ワンが導入されているかどうかは未定)は入店時のみのスキャンとなっている。
アマゾン・フレッシュの決済ラインナップはフルサービスレジ+ダッシュカート、フルサービスレジ+ジャスト・ウォークアウト、ジャスト・ウォークアウトのみの3種類となっており、今後も地域によってアマゾン・フレッシュの決済の種類が変わってきそうだ。
トップ画像:アマゾン・フレッシュでは14店舗目となるファクトリア店。フルサービス(有人)レジにレジなし決済技術のジャスト・ウォークアウトを導入したハイブリッド型だ。15店舗目はジャスト・ウォークアウトのみの小型アマゾン・フレッシュだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。レジなし決済技術のジャスト・ウォークアウトを食品スーパーに導入するのは無理があると思っています。例えば急いでいるお客用にオプションとしてレジなし決済があるのはいいと思います。ワシントンDCにオープンしたアマゾン・フレッシュ・ローガンサークル店はアマゾンゴー・グローサリーと同じでレジなしのみの決済です。いわゆるハイブリッド型となるアマゾン・フレッシュ14店舗目(ファクトリア店)のカスタマーレビューをリサーチしていますが、レシートが届くまで4時間待ちをあげている人がいました。厳密にいえばファクトリア店はジャスト・ウォークアウトではありません。なぜなら売り場を離れる際にもう一度、アプリに表示させたQRコード(アマゾン・ワンで入店なら手のひら)スキャンしなければならないからです。「青果品など商品を手にとって店を出ていくだけ」にはならないからです。カスタマーレビューにあるようにアプリにレシートが届くのに数時間もかかっていたら、数点の買い物で急いでいるお客しか使いません。
様々な決済で実験しているのかもしれませんが、スクラップされたアマゾンゴー・グローサリーの二の舞にはしてもらいたくないですねぇ。
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