無印良品のロゴ
Image by: FASHIONSNAP
「無印良品」を展開する良品計画が、2024年8月期を最終年度とした中期経営計画を発表した。今年9月からファーストリテイリング出身の堂前宣夫 現専務が新社長に就任。2022年8月期以降は堂前体制による「第2創業期」と位置付け、「日常生活の基本を担う」「地域への土着化」を目標に掲げた2030年の事業イメージ実現に向けた基盤構築を進める。
第2創業期では、生活圏における「個店経営」を軸とした地域密着型の事業モデルの実現に取り組む。具体的には売上20億円超の食品スーパーの隣接地などに600坪規模の店舗を出店し、スーパーと共存共栄しながら暮らしの一部となることを目指すほか、地元の生産者とつながり農と食を中心とした地域課題解決に貢献したい考え。片付けやヘルスケアなどの新規サービス立ち上げの準備も進めるという。出店ペースは日本で年間純増100店舗、中国大陸で年間純増50店舗を実現させる。インド、欧州、北米については不採算店舗の閉鎖などで立て直しを図る。
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店舗数は2024年8月期までに1300店舗体制を整え、売上高7000億円(日本4500億円、海外2500億円)、営業利益750億円を実現し、2030年8月期には2500店舗体制で、売上高3兆円、営業利益4500億円達成を目指す。なお、今期の売上高は4876億円の見込んでいる。EC化率は2030年度までに30%に引き上げる。自社の公式オンラインストアはUIなど多くの課題があるとし、半年から1年をかけて改善していく方針。
同社は2年前から食品スーパー隣接地への出店を開始しており、当該店舗の売上は好調に推移しているという。スーパー側も30代の若者が来店するようになるなど客層が広がったという。“スーパー横出店”はほぼゼロベースからのスタートとなることから、堂前専務は出店余地が多くあると見解を示した。商品ラインナップはタオルやシーツ、靴下、インナーなど、スーパーでは取り扱いの少ない生活の必需品を幅広く取り揃える予定だ。
近年取り組んでいる商品価格の見直しは引き続き行う方針。値下げした商品は以前よりも売れ行きが伸びているという。堂前専務は「競合と言われるようなところよりも安く提供したい」とコメントし、価格に適正化に取り組む姿勢を示した。中国市場に関しては価格が高いイメージから幅広い客層を取り込めていないとし、一般的な生活者に浸透させていくことを課題に挙げた。
このほか、再生エネルギーの導入や他社との「相乗り物流」などによるコスト削減やエネルギー消費の低減、二次市場やリサイクルの事業化などESGに関する取り組みの強化を図り、原料まで遡った主要取引先の開示も行えるように体制を整えるという。
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