いつも見ている色は「Noumena」なのかも知れない
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(2021/07/07)
2021年7月9日(金) 〜8月1日(日)の期間、EUKARYOTE(ユーカリオ)にて、香月恵介の個展「Noumena」が開催される。香月恵介は、1991年福岡県生まれのアーティスト。現代における私たちのイメージの源とも言えるディスプレイ、その図像の発光をRGBに分解し、調合された絵具によって物理的に置き換える代表作、ピクセルペインティングを、作家キャリアの初期より発表、今年の群馬青年ビエンナーレ(群馬県立近代美術館)に作品を出展するなど、独自の探求を続けている。本展のタイトル「Noumena」は、“考えられたもの”、あるいは“仮想物”という意味を持つ。私たちは物を見る時に、物そのもの、固有の色を見ているという概念を取り払えずにいるが、実際には物に光があたった際、光の波長の吸収と反射を同時に引き起こしている状態がそこにあることによって、私たちは一部の色でしかその物を観測できていないのだという。一方で、コンピューターの24Bitカラー表示色においては、理論上16,777,216種もの色をディスプレイへ表示可能だが、この膨大な数の色彩を見分けることは私たちには不可能と言える。言い換えれば、ディスプレイ上には無数の灰色が想定されているが、実際は「光の明暗」でしかないのだ。光を当てないと見ることさえできない絵画と、そのものが発光している画像とは色彩理論からして対照的であることを明らかにした上で、香月は「Lux」で減法混色であるCMY(シアン、マゼンダ、イエロー)の絵に対し、加法混色である光のRGBを与えるという手法で、光=色彩と時間、それぞれの重なりと揺らぎを提示する。私たちが視覚を通して捉えられない世界について想像を促し、視覚の内外に広がる身体的実体験の豊かな可能性について再認識する機会である本展示。展示を観終わった後に歩くオモハラの街は一体どう見えるのだろうか?■概要香月恵介個展「Noumena」開催期間:2021年7月9日(金) 〜8月1日(日)開催場所:EUKARYOTE(ユーカリオ)住所:東京都渋谷区神宮前3-41-3開廊時間:12:00〜19:00休廊日:月曜>>EDITOR’S VOICEEUKARYOTE(ユーカリオ)から徒歩6分の場所にあるNANZUKA UNDERGROUNDでは、Haroshiによる個展「I versus I」が2021年7月10日(土)〜8月8日(日)まで開催される。6月5日(土)にオープンしたばかりのNANZUKA UNDERGROUNDは、現代美術ギャラリーのNANZUKAが移転オープンしたギャラリー。新たなオモハラアートスポットとして今後も注目していきたい!
※敬称略
Text:Miwo Tsuji
INFORMATION
住所東京都渋谷区神宮前3-41-3
営業時間12:00-19:00
定休日月曜
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