資生堂のパーソナルケア事業を運営する新会社が経営戦略を発表 中国・アジア戦略を強化しIPOも視野に
(左から)石川由紀子 ファイントゥデイ資生堂 副社長執行役員兼CMO、小森哲郎 ファイントゥデイ資生堂 代表取締役社長兼CEO、魚谷雅彦 資生堂 代表取締役社長兼CEO
Image by: FASHIONSNAP
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資生堂のパーソナルケア事業を運営する新会社が経営戦略を発表 中国・アジア戦略を強化しIPOも視野に
(左から)石川由紀子 ファイントゥデイ資生堂 副社長執行役員兼CMO、小森哲郎 ファイントゥデイ資生堂 代表取締役社長兼CEO、魚谷雅彦 資生堂 代表取締役社長兼CEO
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ファイントゥデイ資生堂が、7月1日からの本格稼働に向けて記者発表会を開催した。同社は資生堂とCVC キャピタル・パートナーズ(以下、CVC社)が助言を行うファンドが共同持株会社を通じて出資したパーソナルケア事業の新会社で、資生堂は株主として参画しているほか、製造やマーケティングノウハウなどを提供。会見にはファイントゥデイ資生堂の代表取締役社長兼CEOの小森哲郎氏、副社長執行役員兼CMOの石川由紀子氏、資生堂代表取締役社長兼CEOの魚谷雅彦氏が登壇。ファイントゥデイ資生堂では2026年までに売上ベースで1500億円規模を目標に掲げ、数年後にはIPOの実現を目指すという。
資生堂は今年2月、パーソナルケア事業譲渡に伴う会社分割を実施することを発表。新会社の全株式および関連事業資産の譲渡価額は1600億円におよぶ。魚谷社長は同事業の譲渡について「資生堂では現在プレステージ事業の強化を成長戦略の要としている。その中でパーソナルケア事業にとって最適な運営体制を構築するために事業分割は最善策だと考えている」と説明した。
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ファイントゥデイ資生堂の重点項目について、小森氏は各ブランドの戦略的立ち位置の見直しをはじめとしたメリハリのある投資や、ニーズに対応するコア・プロセスの改善、中国およびAPEC諸国に向けたマーケティングの整備、高度な課題解決力を持つボトムアップ型の組織構造の構築を掲げた。同社では資生堂がパーソナルケア事業として運営してきた「ツバキ(TSUBAKI)」「ウーノ(uno)」「専科」「シーブリーズ(SEA BREEZE)」「エージー(Ag)」「フィーノ(fino)」「クユラ」など10ブランドを展開。「パーソナルケア事業には資生堂の高い美的センスやものづくりの姿勢を反映したブランドが揃っており、単体で100億円規模のブランドも存在するなど非常にポテンシャルが高い。展開地域に最適なマーケティングを行うことでコモディティ化していた各ブランドの価値を再構築し、マステージ領域での成長を狙う。高収益事業化によって日本発の世界に羽ばたく企業になれると確信している」と期待を寄せた。
屋台骨となるブランドには専科、ツバキ、ウーノ、フィーノ、クユラの5ブランドを設定。既に11の国と地域で展開し、2020年の売上構成で海外が7割を占めている専科は、中国での更なるブランド価値向上とAPEC地域での認知拡大に注力する。中国で若者を中心に支持を得ているツバキは各国でワンランク上のブランドポジションの盤石化を推進。高いCAGR(年平均成長率)を維持しているウーノとフィーノについては中国およびアジア諸国での積極展開に向けた投資を強化し、心地よい香りと洗い心地に定評があるクユラは特に中国市場での成長拡大を狙う。同社全体の売上比率は将来的に海外売上がメインになる計画だという。
なお、製造は資生堂が担い品質を保持するとした上で、顧客ニーズに対応する改良や新製品の計画についてはファイントゥデイ資生堂が主導。小森氏は将来的な選択肢として他社工場での製造の可能性はゼロではないと話した。
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