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■パンデミックの影響による巣ごもりでオンラインで動画を視聴する動きが広がりYouTubeの広告収入は拡大の一途だ。
グーグルを傘下にもつアルファベットでは第1四半期(1月~3月期)のYouTubeの売上が60億ドル(約6,600億円)となり前年同期比で49%の伸びとなった。
YouTubeの広告収入がアルファベットの他のセグメントを凌ぐ成長率となったのだ。
昨年度のYouTube売上高は前年比31%増となる200億ドル(約2.2兆円)だった。動画視聴が増え、より多くの企業を集めることで広告売上は今年、300億ドル(約3.3兆円)近くにも膨れ上がると見られている。
YouTuberとして活躍するYouTubeクリエーターも大忙しだ。なぜなら動画からの広告収益が増えるだけでなく、大手企業と提携する機会も増えるからだ。
多くの有名YouTuberはチャンネル登録者をファンベースに月額課金や会員制を行い企業とタイアップしたオリジナルグッズ販売などを行っている。特に大手企業とのパートナーシップは実入りが大きくなる。
YouTuberで大成功しているのがYouTubeチャンネル「ライアンズ・ワールド(Ryan's World)」をもつライアン・カジ君だ。
ライアン君はオモチャの紹介で有名になり現在、チャンネル登録者数が3,000万人近くにもなっている。
もともとは日本にいる親族などにライアン君の成長を見せるためYouTubeに動画を投稿していた。
ライアンズ・ワールドにアップされた動画は1,600本以上となっており、総動画再生数は400億回以上に達している。
ライアン君は子供たちに絶大なる影響力を持つキッズ・インフルエンサーになっているのだ。
インフルエンサーと手を結んでいるのが大手チェーンストアだ。ライアン君はウォルマートと契約を行い「ラインズ・ワールド」ブランドでおもちゃを発売。
ウォルマートは2018年、ライアン君のファンミーティングツアーをウォルマート各店で開催し大成功をおさめた。
ウォルマートに追随しターゲットも昨年、ライアン・ワールド・ブランドで一部に専売おもちゃを発売した。アマゾンも取り扱い始めたラインアズ・ワールドのおもちゃはすで100種類以上となっている。
ライアン君の大成功でウォルマートは複数のインフルエンサーと提携した特設ページ「インフルエンサー・トーイ(Influencer Toys)」を設け、彼らのオリジナル玩具を紹介している。
ウォルマートはおもちゃだけでなく、アパレルにもインフルエンサーの影響力を行使する。
ウォルマートは昨年12月、フロリダ出身のダンサーで「ジャスト・マイコ―」ことマイケル・リー氏をフューチャーしたショッピング動画「ホリデー・ショップ・アロング・スペクタキュラー(Holiday Shop-Along Spectacular)」を行った。
ショッパブル・ライブ・ストリーミングからの売上などは明かしていないが想定の7倍の集客があったという。またファッション動画によりウォルマートのフォロワー数は25%増加したのだ。
既存のメディア広告よりも年々影響力を増すインフルエンサーを使ったマーケティングのほうがコスパが上回ってきている。
YouTube視聴が増えるとYouTubeの広告売上が増大し、才能のあるYouTuberが増えることになる。インフルエンサーが増えれば広告出稿する企業からYouTuberに案件を申し込む大手企業も増えることになる。
成功者が次々に生まれれば次世代のインフルエンサーを呼び込む土壌となり、正のスパイラルのプラットフォームとなる。
つまり既存のメディアを超えてYouTubeはますますビッグビジネスになっていくのだ。
トップ画像:後藤もコンサルタントのイメージにYouTube動画を使っている。ピアノが弾けることで、少しは賢く見えるからだ(ほんとか?)。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。日本では緊急事態宣言中、人気YouTuber31人が深夜3時まで飲み会をしていたことが発覚し大炎上となっています。総登録者数で2,300万人以上となるインフルエンサーは次々に謝罪に追い込まれています。エントリー記事にもあるようにYouTubeの成長は凄まじい勢いとなっています。常に企業姿勢を問われるほどのビッグビジネスになっていることで、動画コンテンツに対するガイドラインやポリシーも厳格化しています。日本の場合、勤勉で真面目な国民性も相まってコンテンツ以外にもクリエーターの信頼性や誠実性も問われることになります。どんなに若者に人気があっても世間から批判を招き不信感を増すようなクリエーターの行動からレコメンドに乗らなくなるのです。クリエーターの誠実性が変数としてレコメンド機能のアルゴリズムに組み込まれるのです。いずれ芸能人以上に人気YouTuberもモラルから普段の生活姿勢まで問われることになります。YouTuberもイメージ商売になることで、炎上による再生数稼ぎはご法度になるのです。
YouTubeに限らずSNSに才能があり意識も高い、若いクリーエーターが次々に出てきます。登録者数がどんなに多くても「クリエーターは次々に出現している」「自分の代わりはいくらでもいる」という覚悟がなければレッドオーシャン化するYouTubeで生き残っていけません。
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