6月7日の日経新聞に無印良品が今春夏シーズンに全体の1割、25品目だったアパレルの男女兼用アイテムを秋には全体の3割、22年の来春夏には5割(250品目)に増やして行くことに関する記事が掲載されていました。
記事によれば、売場は既存のメンズやレディースコーナーに分散して置くのではなく、男女兼用アイテム専用コーナーを拡充して販売して行くようです。
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同社のサイトを見ると
性別、年齢、体系ではなく、「人」という括りでサイズを展開
とあり、最近、注目されている、「ジェンダーレス」の流れに沿ったもののようです。
該当品目のサイズを見ると・・・
メンズのサイズに当てはめると
① XXS-XS ② S-M ③ L-XL
の3サイズ展開が中心のようで、
この3つのサイズで、女性と男性の大半の顧客の体型をカバーしようとしているようです。
ゆったり着るアイテムであれば、
大は小を兼ねる
少し大きめサイズをつくることで、対応出来そうな感じがします。
以前から、メンズアイテムのユニセックス対応購入という概念は当たり前のようにありましたが、
無印良品含め、最近増えてきているな、と感じる、ジェンダーレス対応アイテムが、従来のユニセックスと違うところは・・・
「ユニセックス」が、サイズ、フィット感などメンズアイテムを着たい女性の需要を取り込むという発想だったのに対し、
昨今の「男女兼用」の取り組みは、従来のユニセックス的なものをカバーしながら、どちらかというとレディース用としてデザインされた、メンズにはない、ベーシック寄りながら、ちょっと気の利いたデザインや素材感の服が着たい男性の需要を取り込むところではないか、と見ています。
ずいぶん前からですが、服のカジュアル志向が進むようになってから、メンズTシャツやスウェットなどのアメカジアイテムはユニセックス対応として、支持はありましたし(メンズで企画しても3~4割は女性に売れる)
その後、女性のボーイズスタイル、平成ブランドと言われたレディースブランドが細身の男性に着用されるブームなどを経て、男女のアイテムのクロスユースは既に十分市民権を得ていると思います。
筆者も、あるレディース売場で販売されていた、柔らかい素材感のセーターや、薄手のスウェットパーカー、はたまた、リブや附属使いなどディテールが、ちょっと気の利いたカーディガンが、これ、メンズでもありだよね、メンズは原型に従った、ありきたりなつくりが多いからね、とつぶやきながら、レディースのXLサイズの商品を購入した経験が何度かあります。
そんなアイテムはちょっと丈が短かったりという難点はありましたが、重ね着対応でローテーションに入れていたものです。
マーケティング的には、時代に合わせて多様性に応えたものかも知れませんが、実は、新しいマーケットをつくる、潜在需要を掘り起こす動きになりそうで、関心を持って見ています。
また、販売管理面で言うと、
◎着ることが出来る人が多くなれば、数は売れますし、
かと言って、サイズを増やすと、在庫リスクを抱えることになるので、リラックスフィットが主流になりつつあるマーケットで
◎サイズ数を絞ることができれば、在庫リスクも小さくなる
というメリットはあります。
この男女兼用アイテム的な発想は、今、業界の中でも多くのブランドに広がりつつある流れなので、今後、どのようにマーケットにフィットして行くのか・・・
業界注目トピックのひとつとして、ウォッチして行きたいと思います。
関連エントリー-色展開よりサイズ展開を増やした方が顧客層は広がる
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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