台湾甜商店 表参道旗艦店の跡地
Image by: FASHIONSNAP
「タピる(=タピオカドリンクを飲む)」「タピ活(=タピオカを飲む活動)」という流行語が生まれるなど、2018年頃から2019年にかけて一大ブームとなったタピオカドリンク。特に原宿・表参道エリアは「タピオカの聖地」と呼ばれるほど多くの店舗が出店し、人気店でひしめきあっていた。ブームは落ち着きを見せ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で街が大きく変わろうとしている中、タピオカ屋は変わらず営業を続けているのか?2019年に店を構えていたタピオカ屋26店舗の現在の営業状況を調査した。
辰杏珠 原宿店の跡地
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調査した26店舗のうち、台湾のお茶専門店コイティー(KOI Thé)や、ジ・アレイ ルージャオシャン(THE ALLEY LUJIAOXIANG)、CoCo都可、御黒堂、フォーチュナーティーボックス(FORTUNER tea-box)、チャノン(CHA NUNG)など当時は行列を作っていた店舗を含む18店舗が閉店。コロナ禍で先が見えない状況が続くため出店企業も少なく、跡地は半数近くが空き物件となっている。跡地に出店したショップは、韓国のストリートブランド「エージェム(A’gem)」をはじめ、アパレル、カフェ、焼きそば専門店などだ。
彩茶房
タピオカブームを牽引した「ゴンチャ(Gong cha)」は原宿エリアに2店舗出店していたが、日本1号店にあたる原宿表参道店を2020年に閉店し、2nd店としてオープンした店舗を原宿表参道店として運営するなど店舗を集約。幸福堂や、NIGO®がアートディレクションを手掛けたノナラパール、彩茶房、レアレアティー(lealea tea)などは現在も営業しているが、タピオカだけでなくお粥や麺線、ルーローハンといった台湾の人気フードを扱うなどメニューの種類を増やす対応を取っている。
タピオカブームの火付け役と言われる春水堂(チュンスイタン)の木川瑞季代表取締役は「タピオカブームのピークは2018年から2019年の夏までで、現在のタピオカの市場規模は当時と比べ6割程度まで落ちていると思います。ただ落ち込んだ原因は、ブームの終焉というよりもコロナの影響によるものが大きい」と話す。コロナ禍でマスク着用が基本となり、タピオカブームを支えていた歩き飲みスタイルがしづらくなったことでテイクアウト需要は激減。テイクアウト前提のスタンド店舗は厳しい状況にあると分析している。
春水堂はお茶のカフェ文化浸透を目的に2013年から日本市場での展開を開始。アイコンメニューのタピオカティーの普及に貢献し、ゴンチャなど有名ブランドが日本へ進出した2015年頃から売り上げは好調だったという。「有名ブランドは約3年をかけてタピオカ市場の基盤を作ってきましたが、2018年頃のブームのピーク時に出店した所謂『後発』企業は差別化が難しいため、現在の大規模淘汰に繋がっているんだと思います」。ブームによって需要を上回る店舗数となったため多くが閉店したが、同氏はスイーツなどとは違い気軽に飲めるドリンクはリピート性の高さから人気店への支持は今後も継続して残り続けると予想。ワクチン接種などによってコロナによるマスクが不要になれば、歩き飲みスタイルも復活すると見込んでいるという。
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