タイトルは秘密。キャッチコピーで本を選ぶ
ADVERTISING
2021年6月30日(日)まで、キャットストリート近くの老舗「小池精米店」の一角に、奥渋谷の人気書店「SPBS」の“支店”として「SPBS THE BOX」と名付けられた本箱が設置されている。
小池精米店は1930年、現在は商業施設「キュープラザ」が佇む場所にあった長屋にて創業。その後1936年に現在の「スノーピーク表参道」向かいにあった参道市場に支店を出店した。1951年より現在の場所での営業をスタートし、顧客に合わせたお米のブレンドや精米のオーダーへの細やかな対応から根強いファンを増やし続けている。
SPBS THE BOXはSPBSの“支店”として渋谷区内のお店やホテルに本箱を設置し、本を通じたコミュニティを育んでいくプロジェクト。本箱の中にはSPBSで選書トレーニングを積んだ“BOX支店長”たちが各設置店舗の特徴を紐解きながら選んだ10冊が入れられている。
小池精米店の選書テーマは「暮らしの粒を磨く」。本は中身が見えないように包装されており、選書を担当した支店長によるキャッチコピーとコメントが表紙に記載されている。どんな本との出会いが待っているのか想像しながら手に取るのも楽しみの一つだ。
この取り組みについて三代目店主・小池理雄さんは「小池精米店は“お米”、SPBS THE BOXは“本”ですが、何かを通じて人の繋がりが広がっていくのは面白いですね。これをきっかけにたくさんの人たちに当店を知ってもらえれば」と語る。
小池精米店のある穏田地区はかつて渋谷川(穏田川)という小川が流れるのどかな農村だった。1967年に小川が暗渠化してキャットストリートができ“若者の街”と呼ばれる以前には、民家も多く立ち並んでいたそうだ。今も青果店などが残りのどかな雰囲気を感じることができるが、SPBS THE BOXのような人と人とを繋ぐ取り組みが、この街をより温かみのある場所にしてくれるかもしれない。
■概要
SPBS THE BOX
設置場所:小池精米店など渋谷区内5ヶ所
【小池精米店】
住所:東京都渋谷区神宮前6-14-17
開催時間:8:00〜18:00
定休日:日曜、祝日、第2・4・5土曜
【チケット】
販売期間:2021年4月11日(日)〜6月29日(土)
引き換え期間:2021年4月16日(金)〜6月30日(日)
購入場所:SPBS本店(渋谷区神山町17-3 / 11:00〜20:00)、SPBSオンラインストア
料金:¥1,100(税込)
※本の引き換えをする支店はチケット購入時にランダムに決まります。
>>EDITOR’S VOICE
穏田地区に流れていた渋谷川(穏田川)には明治40年代まで川の水流を利用した水車があちこちにあり、葛飾北斎の「富嶽三十六景」の一つ「穏田の水車」のモデルにもなっているのだそう。キャットストリートの歴史に迫ったOMOHARAREALのコラムも必読だ。
Text:Natsuno Aizawa
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【OMOHARAREAL】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境