すっかり春らしい陽気となり、春物の出番となりました。春らしいファッションというと、鮮やかな色合いや軽い素材などをイメージすると思いますが、昨年から続いてトレンドなのは「シアーアイテム」です。露出はおさえつつ抜け感を演出できるうえ、見た目も涼しく印象的な仕上がりとなるため、その注目度はまだまだ続きそうです。そこで今回は、シアー素材の編み方や種類、季節に合わせた取り入れ方、人気のレイヤードスタイルについても紹介します。
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シアー素材とは?
シアー(sheer)=「透明感のある」「透き通るような」という意味で、シアー素材とは、「透け感のある薄い素材」の総称です。オーガンジーやシフォンなどを形容して使われることが多いですが、実際の織り方や編み方、素材は様々です。フェミニンな印象の強いシアー素材を取り入れることで、少ない露出で抜け感を演出できたり、合わせるアイテムによって印象がガラリと変わったりと、実は幅広いコーディネートが楽しめます。また、透ける素材には、シースルー(see-through)やトランスペアレント(transparent)もありますが、こちらはほぼ透明なイメージです。
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透け感のある素材の種類
シアー素材とは、オーガンジーやシフォンなどを形容して使われることが多いと説明しましたが、実際に透け感のある素材には、どんな種類があるのでしょうか。代表的なものを、その特徴も踏まえて紹介します。
シフォン 主にシルク、レーヨン、ナイロンなどの繊維の平織物のことで、薄手で柔らかく、透け感があります。縦糸、横糸ともに細い糸で構成されていてシワになりにくいのが特徴で、ふわっとした軽い生地感から、ワンピース、スカート、トップスの袖部分などにもよく使われます。
オーガンジー 薄くて程よい光沢感と張りのある平織物なので、ボリュームのあるシルエットも美しく形を保つことができます。綿や絹、ポリエステル素材のものも多く、ワンピース、スカート、トップスの袖部分はもちろん、張り感があるので、ドレスの生地や帽子などにも使われる素材です。
レース 糸をより合わせたり、編んだり、生地に刺繍をするなどして、透かし模様を施したものがレースです。衣服はもちろんのこと、小物やバッグなど様々なアイテムに使用されており、デザインも豊富です。
チュール 横糸を使用せず、2本の縦糸を網目状に絡み合わせて、六角形・ひし形の細かい模様を作る編物のことです。チュールはレースの一種で、チュール素材にレースを施したものを、チュールレースと表現します。手触りはソフトなものからハードなものまで様々です。
メッシュ 英語で“網目”という意味のメッシュは、名前の通り、網目状に織られたものの総称。網目状であれば全てメッシュに分類されるため、チュールもそのひとつと言えるでしょう。
ジョーゼット タテ糸とヨコ糸に強撚糸(強く撚りをかけた糸)を使用して織った生地に、高熱をかけて練ることで縮ませ、シボを出した生地のこと。ちりめん生地の一種です。正式名称はジョーゼット・クレープで、20世紀初頭のフランスで発祥した生地となります。
紗(しゃ) 強撚糸の縦糸を2本ずつ絡ませる生糸を織って作られた、軽くて薄い織物です。向こう側が透けて見えるほど目が粗く薄いのが特徴。通気性が良く、夏の羽織として重宝されています。
タフタ ペルシャ語で“ねじって織られる”という意味のタフタ。透けるもの・透明なものから、ミディアムウェイトの生地まで様々な種類があります。シワになりにくく滑らかで光沢のある高価な生地なので、主にドレスに使用されることの多い生地です。
シアー素材はいつまで着られる?
透け感のある素材は春夏のイメージが強いですが、最近では合わせるアイテム次第で、秋冬のコーディネートとして提案されることも多くなってきました。昨年から流行のシアーシャツは、+キャミソールではもちろん、羽織としても活躍しますし、秋冬には透け感を活かして柄ものの上に合わせたり、ニットの下からチラッと覗くスタイルも軽やかさが出て人気です。色の選び方によっても異なりますが、チュールのスカートは、トップス次第でかなり長い季節で楽しむことができそうです。
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レイヤードスタイルが人気
シアー素材は1枚でスタイリングが完成するほど目を引くものですが、今季はレイヤードスタイルで取り入れるのがポイントとなりそうです。エレガントな装いになりがちなシアー素材をボーダーやロゴの入ったTシャツなどの上に重ねることで、スポーティな雰囲気を楽しめたり、シアー素材のワンピースにスキニーのデニムを合わせる大人カジュアルも引き続き人気の兆し。また、オーガンジーのレギンスやシアーソックスを合わせるコーディネートも注目されています。
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